「雨水(うすい)」という言葉をカレンダーなどで見かけて、
「雨水ってどんな意味?」
「いつ頃のこと?」
「雨が多くなる時期なの?」
「ひな祭りとは関係があるの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
雨水は、1年を24の季節に分けた「二十四節気」のひとつです。
立春を過ぎて少しずつ春が近づき、雪や氷が解け始め、降る雪が雨へ変わっていく頃を表しています。
国立天文台では雨水について「陽気がよくなり、雪や氷が溶けて水になり、雪が雨に変わる」頃と説明しています。
この記事では、雨水の意味や時期、立春・啓蟄との違い、七十二候、ひな祭りとの関係、行事や食べ物についてわかりやすく解説します。
雨水とは?

雨水は「うすい」と読み、二十四節気のひとつです。
二十四節気は、太陽の位置をもとに一年を24に分け、季節の移り変わりを表したものです。
雨水は太陽黄経が330度になる頃にあたり、立春の次、啓蟄の前に訪れます。
春の二十四節気は、
立春
↓
雨水
↓
啓蟄
↓
春分
↓
清明
↓
穀雨
という順番で進みます。
立春で暦の上では春が始まり、雨水になると春の気配がさらに感じられるようになります。
雪や氷が少しずつ解け、水となって大地を潤す季節を表しているのが雨水です。
二十四節気について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

雨水はいつ頃?

雨水は、毎年2月18~19日頃に訪れます。
日付が完全に固定されているわけではなく、太陽の位置によって年ごとに多少変わります。
国立天文台の暦では、2026年は2月19日に雨水を迎えています。雨水は太陽黄経330度となる時点で決まります。
ただし、毎年記事を更新する必要がないよう、
「雨水=2月中旬から下旬頃」
と覚えておけば十分です。
また、雨水という言葉は雨水に入る最初の日だけでなく、次の二十四節気である啓蟄までのおよそ15日間を指す場合もあります。
「雨水」という名前にはどんな意味がある?
雨水という名前だけを見ると、
「雨がたくさん降る季節なの?」
と思うかもしれません。
しかし、雨水は単純に雨の多い時期を意味する言葉ではありません。
冬の間に降っていた雪が少しずつ雨へ変わり、積もった雪や張っていた氷も解け始める頃を表しています。
国立天文台でも、
雪や氷が溶けて水になる
雪が雨へ変わる
という季節として説明されています。
つまり雨水は、
「厳しい冬から、少しずつ水が動き始める春へ」
という季節の変化を表した名前です。
ただし、日本は南北に長いため、雨水を迎えても北海道や山間部などではまだ雪や氷に覆われている場所があります。
雨水の日に全国で一斉に雪が雨へ変わるわけではありません。
雨水と立春の違い
雨水のひとつ前に訪れる二十四節気が「立春」です。
どちらも春の節気ですが、季節の進み方に違いがあります。
立春
立春は2月上旬頃に訪れます。
二十四節気では春の最初にあたり、暦の上で春が始まる節目です。
まだ寒さが厳しい地域も多い時期です。
雨水
雨水は2月中旬から下旬頃。
立春からさらに季節が進み、雪や氷が解け始め、雪が雨へ変わっていく頃です。
つまり、
立春 → 暦の上で春が始まる
雨水 → 春が進み、雪や氷が水へ変わり始める
という違いがあります。
関連記事:立春とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
雨水と啓蟄の違い
雨水の次に訪れるのが「啓蟄(けいちつ)」です。
雨水
2月中旬から下旬頃。
雪や氷が解け、春の雨が増え始める頃です。
啓蟄
3月上旬頃。
国立天文台では、冬ごもりしていた地中の虫がはい出てくる頃と説明されています。
つまり、
雨水 → 水や大地に春の変化が現れる頃
啓蟄 → 生き物の活動にも春の変化が現れる頃
と考えるとわかりやすいでしょう。
関連記事:啓蟄とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
雨水の頃に感じられる季節の変化
雪や氷が解け始める
雨水という名前のとおり、少しずつ気温が上がり、雪や氷が解け始める地域があります。
道路脇の雪が小さくなったり、水辺の氷が解けたりする様子から春の近づきを感じられることもあるでしょう。
ただし、雪解けの時期は地域によって大きく異なります。
雪ではなく雨が降る日が増える
真冬には雪になっていた降水が、気温の上昇によって雨になる地域も増えてきます。
雨が降ることで地面が湿り、春に向けて植物が育つ環境も少しずつ整っていきます。
ただし、雨水を迎えても寒波などによって雪が降ることはあります。
日が長くなってくる
雨水の頃は冬至から約2か月が経過しています。
そのため、昼の時間も少しずつ長くなっています。
夕方になっても以前より明るい時間が長くなり、
「日が延びてきた」
と感じやすくなる時期です。
草木に春の変化が現れる
雨水の七十二候には「草木萌動」という言葉があります。
まだ見た目には冬らしい景色でも、植物の芽がふくらんだり、新しい葉が出る準備を始めたりしています。
地域によっては梅の花も見頃を迎え、少しずつ春らしい景色が増えていきます。
春一番が吹くこともある
立春から春分までの間には、地域によって「春一番」が発表されることがあります。
春一番は、立春から春分までの間に初めて吹く、暖かく強い南寄りの風です。
雨水の時期と重なることもありますが、毎年必ず雨水の期間に吹くわけではありません。
雨水の七十二候
二十四節気をさらに約5日ずつ3つに分けたものを「七十二候(しちじゅうにこう)」といいます。
現在一般的に使われている七十二候では、雨水は次の3つに分けられています。
土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)

雨水の最初の候です。
春の雨などによって、冷えていた大地が少しずつ潤い始める頃を表しています。
冬の間は凍っていたり乾いていたりした土にも水分が戻り、植物が育つ準備が始まります。
まだ寒さが残る中で、大地から春への変化を感じる七十二候です。
霞始靆(かすみはじめてたなびく)

雨水の次の候です。
春の山や野に霞がたなびき始める頃を表しています。
遠くの山や景色がぼんやりとかすんで見える様子は、昔から春らしい景色として親しまれてきました。
春の昼間に見られるものを「霞」、夜に同じような景色が見られる場合には「朧」という言葉が使われることもあります。
草木萌動(そうもくめばえいずる)

雨水の最後の候です。
草木が少しずつ芽を出し始める頃を表しています。
まだ目立った緑が少ない時期でも、枝の先や地面を見ると小さな芽が現れることがあります。
このあと啓蟄を迎えると、生き物の活動もさらに活発になり、春らしさが増していきます。
雨水とひな祭りには関係がある?

インターネットなどでは、雨水の日に雛人形を飾ると良縁に恵まれるという言い伝えが紹介されることがあります。
ただし、
「雨水の日に飾らなければならない」
という決まりがあるわけではありません。
日本人形協会では、雛人形を飾り始める時期について、一般的に立春頃から2月中旬にかけてと案内しています。また、家庭の都合に合わせて飾っても問題ないとしています。
そのため、
「雨水は雛人形を飾る時期のひとつとして紹介されることがある」
程度に考えるのがよいでしょう。
雨水と良縁を直接結びつける話についても、全国共通の決まりとして扱う必要はありません。
ひな祭りとは?
3月3日は「上巳の節句」、一般には「桃の節句」や「ひな祭り」と呼ばれています。
雛人形を飾り、子どもの健やかな成長や幸せを願う行事です。
日本人形協会によると、現在のひな祭りは、人形に災いを移して川や海へ流した風習と、平安時代の「ひいな遊び」などが長い年月をかけて結びついたものとされています。
雨水の期間は3月上旬頃まで続くことがあるため、ひな祭りと時期が近くなります。
ただし、雨水とひな祭りは同じ行事というわけではありません。
雨水の頃にある行事
雨水そのものに、全国共通で必ず行う行事があるわけではありません。
2月下旬から3月上旬頃には、春の訪れを感じる行事が増えてきます。
ひな祭り

3月3日に行われる春の代表的な行事です。
雛人形を飾るほか、
ちらし寿司
はまぐりのお吸い物
ひなあられ
菱餅
などを用意する家庭もあります。
雨水の時期と重なることがありますが、ひな祭りは雨水そのものに由来する行事ではありません。
梅まつり

2月から3月頃には、梅の名所で「梅まつり」などが開催される地域があります。
梅の開花時期は地域や品種、気温によって異なりますが、雨水の頃は早春らしい花を楽しめる時期でもあります。
雨水の頃に楽しめる食べ物
雨水の日に全国共通で食べる決まった行事食はありません。
そのため、2月下旬から3月頃に出回る春らしい食材を楽しむとよいでしょう。
菜の花

早春を感じさせる代表的な野菜のひとつです。
おひたしや和え物、パスタ、炒め物などさまざまな料理に使えます。
鮮やかな緑色からも春らしさを感じられます。
うど(独活)

うどは春を代表する山菜のひとつです。
独特の香りとシャキシャキとした食感が特徴で、
酢味噌和え
天ぷら
きんぴら
煮物
などにして楽しめます。
出回る時期は栽培方法や産地によって異なります。
ふきのとう

ふきのとうも早春を感じられる山菜です。
天ぷらやふき味噌などにして、独特の香りや苦味を楽しめます。
地域によって採れる時期には大きな違いがあります。
春キャベツ

春が近づくと、地域によって春キャベツが出回り始めます。
葉がやわらかく、みずみずしいものが多いため、
サラダ
浅漬け
炒め物
スープ
など幅広い料理に利用できます。
はまぐり

はまぐりは、ひな祭りの料理としてよく知られています。
2枚の貝殻が対になっていることから、古くから縁起のよい食材として使われてきました。
日本人形協会でも、ひな祭りのごちそうとして、寿司とはまぐりのお吸い物を紹介しています。
雨水そのものの行事食ではありませんが、時期的に楽しみやすい食材です。
雨水の前後には「立春」と「啓蟄」がある
二十四節気では、雨水のひとつ前が立春、次が啓蟄です。
季節は、
立春
↓
雨水
↓
啓蟄
という順番で進みます。
立春
立春は2月上旬頃に訪れます。
暦の上で春が始まる節目です。
関連記事:立春とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
啓蟄
啓蟄は3月上旬頃に訪れます。
冬ごもりしていた生き物が動き始める頃を表しています。
関連記事:啓蟄とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
雨水についてよくある質問
雨水は何と読む?
「うすい」と読みます。
飲み水などを意味する「雨水(あまみず)」とは同じ漢字ですが、二十四節気の場合は「うすい」と読みます。
雨水は毎年同じ日?
完全に同じ日ではありません。
太陽の位置によって決まるため多少前後しますが、おおむね2月18~19日頃です。
「2月中旬から下旬頃」と覚えておけばよいでしょう。
雨水になると雨が増える?
必ず雨が増えるという意味ではありません。
雨水は、冬の雪や氷が解け、雪が雨へ変わっていく季節を表す二十四節気です。
実際の天候は地域やその年によって異なります。
雨水は春?冬?
二十四節気では春です。
立春から暦の上では春が始まっており、雨水は春の2番目の節気にあたります。
雨水の日に雛人形を飾らないといけない?
そのような決まりはありません。
雨水の日に飾ると良縁につながるという言い伝えが紹介されることはありますが、日本人形協会では一般的な飾り始めの目安を立春頃から2月中旬としています。家庭の都合に合わせて飾って問題ありません。
雨水の次は何?
次の二十四節気は「啓蟄」です。
雨水で雪や氷が解け始め、啓蟄になると冬ごもりしていた生き物が動き始める頃へと季節が進みます。
まとめ|雨水は雪や氷が解けて春へ向かう季節の節目
雨水は二十四節気のひとつで、2月中旬から下旬頃に訪れます。
立春からさらに季節が進み、雪や氷が解け、雪が雨へ変わり始める頃を表しています。
雨水の頃には、
- 雪や氷が少しずつ解け始める
- 雪ではなく雨になる地域が増える
- 日が長くなってくる
- 草木が芽吹く準備を始める
- 梅など早春の花を楽しめる
- ひな祭りの準備をする時期と重なる
など、少しずつ春らしい変化が現れます。
七十二候では、
土脉潤起
↓
霞始靆
↓
草木萌動
と進み、大地・空・植物の変化を通して春の訪れが表されています。
雨水の次に訪れるのは啓蟄です。
まだ寒い日もありますが、雪解けや日の長さ、草木の芽などに目を向けてみると、少しずつ春が近づいていることを感じられるでしょう。

