「立春(りっしゅん)」という言葉をカレンダーやニュースで見かけて、
「立春ってどんな意味?」
「まだ寒いのに、なぜ春なの?」
「節分とはどんな関係があるの?」
「いつ頃のことなの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
立春は、1年を24の季節に分けた「二十四節気」のひとつです。
二十四節気では春の最初にあたり、暦の上では立春から春が始まります。
ただし、立春は2月上旬頃なので、実際にはまだ厳しい寒さが続く地域も少なくありません。
国立天文台でも、立春を「寒さも峠を越え、春の気配が感じられる」頃と説明しています。
この記事では、立春の意味や時期、大寒・雨水との違い、節分との関係、七十二候、行事や食べ物についてわかりやすく解説します。
立春とは?

立春は「りっしゅん」と読み、二十四節気のひとつです。
二十四節気は、太陽の位置をもとに一年を24に分け、季節の移り変わりを表したものです。
立春は太陽黄経が315度になる頃にあたり、大寒の次、雨水の前に訪れます。
季節の流れは、
大寒
↓
立春
↓
雨水
↓
啓蟄
↓
春分
と進みます。
立春の「立」には、季節の始まりという意味があります。
そのため、
立春 → 春の始まり
立夏 → 夏の始まり
立秋 → 秋の始まり
立冬 → 冬の始まり
を表しています。
つまり立春は、
「暦の上で冬が終わり、春が始まる節目」
と考えるとわかりやすいでしょう。
二十四節気について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

立春はいつ頃?

立春は、毎年2月3~4日頃に訪れます。
太陽の位置によって決まるため、毎年必ず同じ日になるわけではありません。
例えば国立天文台の暦では、2025年は2月3日、2026年と2027年は2月4日です。
ただし、この記事では毎年更新する必要がないよう、
「立春=2月上旬頃」
と覚えておけば十分です。
また、立春という言葉は立春に入る最初の日だけでなく、次の二十四節気である「雨水」までのおよそ15日間を指す場合もあります。
立春なのに寒いのはなぜ?
立春という名前を見ると、
「春なのに、どうしてこんなに寒いの?」
と思う方も多いでしょう。
立春は、実際の気温を基準に決められているわけではありません。
二十四節気は太陽の位置によって決まるため、立春を迎えたからといって急に暖かくなるわけではないのです。
2月上旬は一年の中でも寒い時期にあたり、雪が降ったり、最低気温が氷点下になったりする地域もあります。
そのため、
「立春=暖かい春になった日」
ではなく、
「暦の上で春が始まり、少しずつ春の気配が現れ始める頃」
と考えるのが自然です。
国立天文台でも立春を「寒さも峠を越え、春の気配が感じられる」時期としています。
立春と大寒の違い
立春のひとつ前に訪れる二十四節気が「大寒(だいかん)」です。
この2つは、暦の上では冬と春の境目になります。
大寒
大寒は1月下旬頃に訪れます。
冬の最後の二十四節気で、一年の中でも特に寒さが厳しくなる頃です。
立春
立春は2月上旬頃。
大寒の次に訪れ、暦の上では春が始まります。
つまり、
大寒 → 冬の最後
立春 → 春の始まり
という違いがあります。
関連記事:大寒とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
立春と雨水の違い
立春の次に訪れる二十四節気が「雨水(うすい)」です。
立春
2月上旬頃に訪れ、暦の上で春が始まる節目です。
まだ寒い日が多いものの、少しずつ春の気配が感じられる頃です。
雨水
雨水は2月中旬から下旬頃。
国立天文台では、雪や氷が解けて水となり、雪が雨へ変わる頃と説明されています。
つまり、
立春 → 春の始まり
雨水 → 春がさらに進み、雪や氷が解け始める頃
という違いがあります。
関連記事:雨水とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
立春と節分の関係
立春と特に関係の深い行事が「節分」です。
現在一般的に節分と呼ばれているのは、立春の前日です。
そのため、立春の日付が変われば節分の日付も変わることがあります。
例えば、立春が2月4日なら節分は2月3日、立春が2月3日なら節分は2月2日になります。
国立天文台の暦でも、2025年は立春が2月3日だったため、節分は2月2日でした。2026年は立春が2月4日なので、節分は2月3日です。
「節分=必ず2月3日」と覚えるのではなく、
「節分=立春の前日」
と覚えておくとわかりやすいでしょう。
節分は本来どんな意味?
「節分」という言葉には「季節を分ける」という意味があります。
もともとは季節の変わり目を表す言葉で、立春・立夏・立秋・立冬の前日はいずれも季節の境目にあたります。
その中でも、現在は特に立春の前日を「節分」と呼ぶのが一般的になっています。
節分には、
豆まきをする
恵方巻を食べる
地域によってイワシを飾ったり食べたりする
といった風習があります。
これらは立春そのものの行事ではなく、春を迎える前日の節分に行われるものです。
立春の頃に感じられる季節の変化
日が少しずつ長くなる
立春の頃はすでに冬至を過ぎているため、昼の時間は少しずつ長くなっています。
夕方になっても以前より明るい時間が長くなり、
「少し日が延びてきた」
と感じることもあるでしょう。
寒さはまだ厳しくても、日の長さから春の近づきを感じられる時期です。
梅が咲き始める地域もある
立春の頃になると、暖かい地域では梅が咲き始めることがあります。
梅は桜より早く花を咲かせるため、早春を感じさせる花として昔から親しまれてきました。
ただし、開花時期は地域や品種、その年の気温によって異なります。
そのため、
「立春になれば全国で梅が咲く」
というわけではありません。
少しずつ春らしい日が増える
立春を過ぎても寒い日は続きますが、日中に暖かさを感じる日が現れることもあります。
暖かい日と寒い日を繰り返しながら、少しずつ季節が春へ向かっていきます。
朝晩は冷え込むことも多いため、急に冬物を片付けるのではなく、その日の気温に合わせて服装を調整するとよいでしょう。
立春の七十二候
二十四節気をさらに約5日ずつ3つに分けたものを「七十二候(しちじゅうにこう)」といいます。
現在一般的に使われている七十二候では、立春は次の3つに分けられています。
東風解凍(はるかぜこおりをとく)

立春の最初の候です。
春を感じさせる風が吹き、冬の間に張っていた氷が少しずつ解け始める頃を表しています。
「東風」と書きますが、七十二候では「はるかぜ」と読みます。
まだ寒い日が続く中でも、自然の中では少しずつ春への変化が始まっている様子を表した言葉です。
黄鶯睍睆(うぐいすなく)

立春の次の候です。
ウグイスが鳴き始める頃を表しています。
ウグイスの「ホーホケキョ」というさえずりは春を感じさせる声としてよく知られています。
ただし、実際に鳴き始める時期は地域や気候によって異なります。
七十二候では、鳥の声を通して春の訪れを表しています。
魚上氷(うおこおりをいずる)

立春の最後の候です。
水面の氷が解け始め、その間から魚が姿を現す頃を表しています。
冬の間は静かだった水辺にも少しずつ動きが現れ、自然が春へ向かって変化していく様子を感じられる言葉です。
国立天文台の七十二候でも、立春は「東風解凍」「黄鶯睍睆」「魚上氷」の順に掲載されています。
立春の頃にある行事や風習
立春そのものに全国共通で必ず行う行事があるわけではありません。
ただし、春の始まりという節目にちなんだ風習があります。
立春大吉

「立春大吉(りっしゅんだいきち)」という言葉を見かけることがあります。
禅寺などでは、立春の頃に「立春大吉」と書かれた札を掲げ、一年の無事や幸せを願う風習があります。
すべての家庭で行われる全国共通の習慣ではありませんが、立春らしい伝統のひとつです。
節分

立春の前日は節分です。
豆まきや恵方巻などがよく知られています。
節分を終えて立春を迎えることで、暦の上では冬から春へ季節が移ります。
八十八夜の基準にもなる

「夏も近づく八十八夜」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。
八十八夜は、立春から数えて88日目頃を表す雑節です。
国立天文台の暦でも八十八夜は立春を基準に定められています。
新茶の時期を表す言葉としてもよく知られています。
立春の頃に楽しめる食べ物
立春の日に全国共通で必ず食べる決まった行事食はありません。
そのため、早春に旬を迎える食材や、春らしさを感じられる食べ物を楽しむとよいでしょう。
ふきのとう

ふきのとうは、春の訪れを感じさせる山菜のひとつです。
地域によっては雪が残る頃から姿を見せ始めます。
天ぷらやふき味噌などにして、独特の香りと苦味を楽しめます。
採取時期や出回る時期には地域差があります。
菜の花

菜の花も早春らしさを感じられる食材です。
おひたしや和え物、パスタなど幅広い料理に使えます。
黄色い花を思わせる見た目からも、春の季節感を楽しみやすい野菜です。
いちご

冬から春にかけて、さまざまな品種のいちごが店頭に並びます。
そのまま食べるほか、
ケーキ
パフェ
大福
ジャム
など、さまざまな楽しみ方があります。
品種や栽培方法によって出荷時期は異なりますが、立春の頃にも楽しみやすい果物です。
春キャベツ

地域によっては、少しずつ春キャベツが出回り始めます。
一般的な冬キャベツと比べて葉がやわらかく、みずみずしいものが多いのが特徴です。
サラダや浅漬け、炒め物など幅広い料理に使えます。
ただし、出回る時期は産地によって異なります。
サワラ

漢字で「鰆」と書くサワラは、春を連想させる魚として知られています。
ただし、旬は地域によって異なります。
西日本では春、関東などでは冬に旬を迎えるとされることもあり、
「立春になれば全国でサワラが旬」
というわけではありません。
季節を感じる魚のひとつとして楽しむとよいでしょう。
立春は旧暦のお正月と同じ?
現在の記事では、立春について「旧暦では新しい年が始まる」と説明していますが、ここは少し注意が必要です。現在の568にもこの説明が残っています。
立春と旧暦の1月1日は、必ず同じ日になるわけではありません。
二十四節気は太陽の位置を基準に決められる一方、旧暦は月の満ち欠けも取り入れた太陰太陽暦です。
そのため、
「立春=旧暦の元日」
ではありません。
ただし、立春が春の始まりとして重視されてきたため、「一年の始まり」のような意味合いで扱われることがあります。
記事では、
「立春は暦の上で春が始まる節目」
と説明しておく方が正確でわかりやすいでしょう。
立春の前後には「大寒」と「雨水」がある
二十四節気では、立春のひとつ前が大寒、次が雨水です。
季節は、
大寒
↓
立春
↓
雨水
という順番で進みます。
大寒
大寒は1月下旬頃に訪れます。
二十四節気では冬の最後にあたり、一年の中でも特に寒さが厳しい頃です。
関連記事:大寒とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
雨水
雨水は2月中旬から下旬頃に訪れます。
立春からさらに季節が進み、雪や氷が解け始め、雪が雨へ変わる頃を表しています。
関連記事:雨水とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
立春についてよくある質問
立春は何と読む?
「りっしゅん」と読みます。
二十四節気のひとつで、暦の上で春が始まる節目です。
立春は毎年同じ日?
完全に同じ日ではありません。
太陽の位置によって決まり、おおむね2月3~4日頃です。
毎年の日付を覚える必要はなく、「2月上旬頃」と考えておけばよいでしょう。
立春から春になる?
二十四節気では、立春から春になります。
ただし、実際には2月上旬なので寒い地域が多く、すぐに暖かくなるわけではありません。
「暦の上で春が始まる」と考えるとわかりやすいでしょう。
節分は必ず2月3日?
いいえ。
現在一般的な節分は立春の前日なので、立春の日付によって変わります。
2月2日になる年もあります。
立春と春分は同じ?
同じではありません。
立春は2月上旬頃で、暦の上で春が始まる節目です。
春分は3月下旬頃で、昼と夜の長さがほぼ同じになる頃です。
立春から春分までは1か月以上あります。
立春には何を食べる?
全国共通で決まった立春の行事食はありません。
ふきのとうや菜の花など早春の食材を楽しんだり、節分の翌日という季節の節目を意識した食事を楽しんだりするとよいでしょう。
まとめ|立春は暦の上で春が始まる季節の節目
立春は二十四節気のひとつで、2月上旬頃に訪れます。
大寒を過ぎて、暦の上では冬から春へ季節が切り替わる節目です。
国立天文台では「寒さも峠を越え、春の気配が感じられる」頃とされています。
立春の頃には、
- 昼の時間が少しずつ長くなる
- 地域によって梅が咲き始める
- 暖かい日が少しずつ現れる
- 前日には節分がある
- 自然の中で春への変化が始まる
など、寒さの中にも春の気配を感じられるようになります。
七十二候では、
東風解凍
↓
黄鶯睍睆
↓
魚上氷
と進み、風・鳥・水辺の変化から春の始まりが表されています。
立春の次に訪れるのは「雨水」です。
実際の寒さはまだ続きますが、日の長さや植物、生き物の変化などに目を向けると、少しずつ春が近づいていることを感じられるでしょう。

