「冬至(とうじ)」という言葉を聞くと、
「一年で昼が一番短い日」
「かぼちゃを食べる日」
「ゆず湯に入る日」
というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
冬至は、1年を24の季節に分けた「二十四節気」のひとつです。
北半球では一年の中で昼の時間が最も短く、夜の時間が最も長くなる頃で、冬の大きな節目として昔から大切にされてきました。
日本では、かぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりする風習もよく知られています。
この記事では、冬至の意味や時期、大雪・小寒との違い、七十二候、冬至ならではの風習や食べ物についてわかりやすく解説します。
冬至とは?

冬至は「とうじ」と読み、二十四節気のひとつです。
二十四節気では、太陽の通り道である黄道を24等分し、太陽の位置をもとに季節の節目を表しています。
冬至は太陽黄経が270度になる頃です。国立天文台の暦でも、大雪の次、小寒の前に位置しています。
冬の二十四節気は、
立冬 → 小雪 → 大雪 → 冬至 → 小寒 → 大寒
という順番で進みます。
冬至は冬の始まりではありません。
二十四節気では立冬からすでに冬に入っており、冬至は冬のちょうど中ほどに訪れる節気です。
二十四節気について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

冬至はいつ頃?

冬至は、毎年12月21~22日頃に訪れます。
日付が完全に固定されているわけではなく、太陽の位置によって年ごとに多少変わります。
例えば国立天文台の暦では、2026年と2027年はいずれも12月22日に冬至を迎えます。
ただし、この記事では毎年更新する必要がないよう、
「冬至=12月下旬頃」
と覚えておけば十分です。
また「冬至」は冬至に入る最初の日だけでなく、次の二十四節気である「小寒」までのおよそ15日間を指す場合もあります。
冬至は一年で昼が最も短い頃

冬至の大きな特徴が、北半球では一年の中で昼の時間が最も短くなることです。
冬至の頃は太陽が通る位置が低いため、日の出から日の入りまでの時間が短くなります。
反対に夏至は、一年の中で昼の時間が最も長くなる頃です。
そのため、
夏至 → 昼が最も長い頃
冬至 → 昼が最も短い頃
という関係になっています。
冬至を過ぎると、昼の時間は少しずつ長くなっていきます。
昔から冬至は、弱まっていた太陽の力が再び強くなり始める節目としても意識されてきました。
冬至の日は日の出が最も遅く、日の入りが最も早い?
「冬至は昼が一番短いのだから、日の出が一年で最も遅く、日の入りが一番早い日なのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、必ずしもそうではありません。
国立天文台によると、日本では一般的に、日の入りが最も早くなる日は冬至より前、日の出が最も遅くなる日は冬至より後になります。
つまり冬至は、
「日の出が最も遅い日」
でも、
「日の入りが最も早い日」
でもなく、
「日の出から日の入りまでを合わせた昼の時間が最も短くなる頃」
ということです。
冬至と大雪の違い
冬至のひとつ前に訪れる二十四節気が「大雪(たいせつ)」です。
大雪
大雪は12月上旬頃に訪れます。
小雪からさらに冬が進み、雪が積もる地域も増えてくる頃を表しています。
冬至
冬至は12月下旬頃。
北半球では一年の中で昼の時間が最も短くなる頃です。
つまり、
大雪は「冬の寒さや雪が本格化していく頃」
冬至は「一年で昼が最も短くなる頃」
という違いがあります。
関連記事:大雪とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
冬至と小寒の違い
冬至の次に訪れるのが「小寒(しょうかん)」です。
冬至
12月下旬頃に訪れ、一年で昼の時間が最も短くなる頃です。
小寒
小寒は1月上旬頃に訪れます。
「寒の入り」と呼ばれ、本格的な寒さを迎える時期です。
冬至を過ぎると昼は少しずつ長くなりますが、気温がすぐに暖かくなるわけではありません。
実際には冬至の後も寒さが増し、小寒・大寒へと進んでいきます。
そのため、
大雪 → 冬至 → 小寒 → 大寒
と進むにつれて、昼は長くなり始めても寒さはさらに厳しくなることがあります。
関連記事:小寒とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
冬至を過ぎても寒くなるのはなぜ?
冬至を過ぎると昼の時間は少しずつ長くなります。
それなら、
「冬至を過ぎたら暖かくなるのでは?」
と思う方もいるでしょう。
しかし、実際には冬至の後も寒さが厳しくなり、1月から2月頃に一年で特に寒い時期を迎える地域が多くあります。
地面や海、大気が冷えるまでには時間がかかるため、太陽から受け取るエネルギーが増え始めても、気温にはすぐ反映されません。
そのため、冬至は「一年で最も寒い日」という意味ではありません。
冬至の頃に感じられる季節の変化
昼の時間が最も短くなる
冬至の頃は夕方になると早く暗くなり、一年の中でも特に日の短さを感じる時期です。
冬至を境に昼の時間は少しずつ長くなりますが、すぐに大きな変化を感じるわけではありません。
少しずつ日が延びていくことで、季節が春へ向かっていることを感じられるようになります。
寒さが本格化する
12月下旬になると、朝晩だけでなく日中にも寒さを感じる日が増えてきます。
雪が多い地域では積雪が増え、太平洋側などでも冷たい風が吹く日があります。
コートや手袋、マフラーなど、本格的な防寒用品が活躍する時期です。
年末らしい雰囲気になる
冬至は12月下旬頃なので、クリスマスや年末の準備と重なります。
街ではイルミネーションが輝き、家庭では大掃除や年賀状、年末年始の準備などを進める時期でもあります。
ただし、クリスマスや大晦日は冬至そのものに由来する行事ではありません。
冬至の七十二候
二十四節気をさらに約5日ずつ3つに分けたものを「七十二候(しちじゅうにこう)」といいます。
現在一般的に使われている七十二候では、冬至は「乃東生」「麋角解」「雪下出麦」の3つに分かれます。国立天文台の七十二候でも確認できます。
乃東生(なつかれくさしょうず)

冬至の最初の候です。
「乃東」はウツボグサを指し、冬の寒さの中で芽を出し始める頃を表しています。
ウツボグサは夏至の頃になると枯れていくことから「夏枯草」とも呼ばれます。
一年で昼が最も短くなる冬至の頃に芽を出す植物の姿から、自然の中では次の季節への準備が始まっていることを感じられます。
麋角解(さわしかのつのおつる)

冬至の次の候です。
「麋」と呼ばれる大型のシカの角が落ちる頃を表しています。
七十二候には、植物だけでなく動物の変化から季節を表した言葉も多くあります。
現代の日本の身近な自然と必ず一致するわけではありませんが、昔の人々が動植物の様子から季節の移り変わりを感じ取っていたことがわかります。
雪下出麦(ゆきくだりてむぎのびる)

冬至の最後の候です。
雪の下で麦が芽を伸ばし始める頃を表しています。
地上では厳しい冬が続いていても、土の中では植物が春へ向けて育っています。
冬の最中にも次の季節への変化が始まっていることを表した七十二候です。
国立天文台では「ゆきくだりてむぎのびる」という読みが掲載されています。
冬至にはなぜかぼちゃを食べるの?
日本で冬至の食べ物として特に有名なのが「かぼちゃ」です。
かぼちゃは夏から秋に収穫される野菜ですが、比較的保存しやすいため、昔は冬まで保存できる貴重な食べ物のひとつでした。
農林水産省の北海道農政事務所でも、冬至に秋に収穫したかぼちゃを煮物やかぼちゃ粥などにして食べる風習が紹介されています。
また、かぼちゃは漢字で「南瓜」と書き、「なんきん」と読むことがあります。
「ん」のつく食べ物を冬至に食べると運を呼び込むという「運盛り」の風習とも結びつけられています。
冬至にかぼちゃを食べることには、昔の人々の季節の暮らしと縁起担ぎの両方が関係していると考えるとわかりやすいでしょう。
冬至の「運盛り」とは?
冬至には「ん」のつく食べ物を食べると縁起がよいという風習があります。
特に「ん」が2つ入っている食材は「冬至の七種」と呼ばれることがあります。
代表的なのは、なんきん(かぼちゃ)、れんこん、にんじん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うんどん(うどん)です。
「ん」を「運」にかけ、運を呼び込むという縁起担ぎとして伝えられています。
すべてを食べなければならないわけではありません。
冬至の食文化のひとつとして楽しむとよいでしょう。
冬至にゆず湯へ入るのはなぜ?
冬至を代表するもうひとつの風習が「ゆず湯」です。
ゆずを湯船に浮かべ、香りを楽しみながら入浴する習慣が日本各地にあります。農林水産省も冬至の風習としてゆず湯を紹介しています。
由来にはいくつかの説があります。
よく知られているのが、
「冬至」と「湯治(とうじ)」
「ゆず」と「融通(ゆうずう)」
をかけた言葉遊びです。
また、香りの強いゆずを使って身を清めるという意味合いがあったともいわれています。
現在では、冬至らしい季節の風習として家庭や銭湯などで楽しまれています。
ゆずを切ったり果汁を多く入れたりすると、肌に刺激を感じる場合があります。肌が弱い方や小さな子どもが入る場合は、無理をせず様子を見ながら楽しみましょう。
冬至の頃に楽しめる食べ物
かぼちゃ

冬至の代表的な食べ物です。
煮物として食べるだけでなく、スープや天ぷら、かぼちゃ粥などさまざまな料理に利用できます。
地域によっては小豆と一緒に煮た「冬至かぼちゃ」を食べる文化もあります。
小豆

冬至に小豆粥や、かぼちゃと小豆を合わせた料理を食べる地域があります。
全国共通の食べ方ではありませんが、地域に残る冬至の食文化のひとつです。
れんこん

「ん」が2つ入る冬至の七種のひとつです。
煮物やきんぴら、天ぷらなどにして楽しめます。
にんじん

にんじんも「ん」が2つ入ることから、冬至の運盛りに使われる食材のひとつです。
冬の煮物や鍋、汁物にも取り入れやすいでしょう。
きんかん

きんかんも冬至の七種に数えられています。
冬に出回る柑橘類として季節感を楽しめる食べ物です。
冬至と「一陽来復」の関係
冬至について調べると「一陽来復(いちようらいふく)」という言葉を目にすることがあります。
冬至は一年で昼が最も短くなり、その後は昼の時間が少しずつ長くなります。
この変化から、冬至を境に陰が極まり、再び陽へ向かっていくと考えられてきました。
そこから冬至は、物事が悪い方向からよい方向へ向かい始める節目という意味と結びつけられることがあります。
ただし、これは昔から伝わる考え方や縁起の表現です。
現在の天文学的な冬至は、太陽の位置によって決まる季節の節目として理解するとよいでしょう。
冬至の前後には「大雪」と「小寒」がある
二十四節気では、冬至のひとつ前が大雪、次が小寒です。
季節は、
大雪 → 冬至 → 小寒
という順番で進みます。
大雪
大雪は12月上旬頃に訪れます。
雪が積もり始める地域も増え、本格的な冬を感じる頃です。
関連記事:大雪とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
小寒
小寒は1月上旬頃に訪れます。
小寒から「寒の入り」となり、一年の中でも寒さが厳しい時期へ入っていきます。
関連記事:小寒とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
冬至についてよくある質問
冬至は何と読む?
「とうじ」と読みます。
二十四節気のひとつで、北半球では一年の中で昼の時間が最も短くなる頃です。
冬至は毎年同じ日?
完全に同じ日ではありません。
太陽の位置によって決まるため年によって変わりますが、おおむね12月21~22日頃です。
毎年更新しなくても「12月下旬頃」と覚えておけばよいでしょう。
冬至は一年で最も寒い日?
冬至が一年で最も寒い日とは限りません。
冬至を過ぎると昼は少しずつ長くなりますが、実際の寒さはその後も強まり、小寒や大寒の頃に厳しい寒さを迎える地域が多くあります。
冬至から日が長くなる?
はい。
北半球では冬至の頃に昼の時間が最も短くなり、その後は少しずつ長くなっていきます。
ただし、冬至の日が日の出の最も遅い日、日の入りの最も早い日になるわけではありません。
冬至には何を食べる?
特に有名なのは、かぼちゃです。
このほか「運盛り」として、なんきん、れんこん、にんじん、ぎんなん、きんかんなど「ん」のつく食べ物を食べる風習もあります。
冬至には何をする?
全国共通で必ず行わなければならないことはありません。
日本では、かぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりする風習がよく知られています。
家庭で無理なく季節を楽しむきっかけにするとよいでしょう。
まとめ|冬至は一年で昼が最も短くなる季節の節目
冬至は二十四節気のひとつで、12月下旬頃に訪れます。
北半球では一年の中で昼の時間が最も短く、夜の時間が最も長くなる頃です。
冬至を過ぎると昼の時間は少しずつ長くなりますが、寒さはその後も続き、小寒・大寒へ向かって本格的な冬を迎えます。
七十二候では、
乃東生 → 麋角解 → 雪下出麦
と進み、厳しい冬の中でも植物や動物が季節に合わせて変化する様子が表されています。
また、日本では冬至にかぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりする風習が受け継がれています。
冬至は単に「昼が短い日」としてだけでなく、季節が少しずつ次へ動き始める節目でもあります。
短い昼の時間や寒さ、季節の食べ物などを通して、冬ならではの変化を感じてみてください。

