寒露(かんろ)という言葉をカレンダーなどで見かけて、
「寒露ってどんな意味?」
「いつ頃の季節なの?」
「秋分や霜降とは何が違うの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
寒露は、季節の移り変わりを表す「二十四節気」のひとつです。
秋分を過ぎて日がさらに短くなり、朝晩には肌寒さを感じる日が増えてくる頃にあたります。
草花につく露にも冷たさを感じるようになり、紅葉や渡り鳥など、秋の深まりを感じられる自然の変化も増えていきます。
この記事では、寒露の意味や時期、秋分・霜降との違い、七十二候、寒露の頃に見られる季節の特徴や行事、食べ物についてわかりやすく解説します。
寒露とは?

寒露は「かんろ」と読み、1年を24の季節に分けた「二十四節気(にじゅうしせっき)」のひとつです。
二十四節気では、太陽の通り道である黄道を24等分し、太陽の位置をもとに季節の節目を決めています。
寒露は太陽黄経が195度になる頃にあたり、二十四節気では17番目の節気です。国立天文台の暦でも、秋分の次、霜降の前に寒露が置かれています。
秋の二十四節気は、
立秋
↓
処暑
↓
白露
↓
秋分
↓
寒露
↓
霜降
という順番で進みます。
立秋の頃にはまだ夏の暑さが残っていることもありますが、寒露まで進むと朝晩の冷え込みが少しずつ強くなり、本格的な秋を感じやすくなります。
二十四節気について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

寒露はいつ頃?

寒露は毎年10月8日頃に訪れます。
日付が完全に固定されているわけではなく、太陽の位置によって決まるため、年によって多少前後することがあります。
そのため、具体的な日付を覚えるより、
「寒露=10月上旬頃」
と覚えておくとわかりやすいでしょう。
また「寒露」という言葉は、寒露に入る最初の日だけでなく、次の二十四節気である「霜降」までのおよそ15日間を指す場合もあります。
寒露から霜降へ向かうにつれて朝晩の冷え込みがさらに増し、秋から冬へ少しずつ季節が進んでいきます。
「寒露」という名前にはどんな意味がある?
「寒露」という漢字を見ると、
「寒い露とはどういうこと?」
と思う方もいるでしょう。
白露の頃には、草木についた露から秋の訪れを感じ始めます。
さらに季節が進んで寒露になると、朝晩の気温が低くなり、草木についた露にも冷たさを感じるようになります。
つまり寒露とは、簡単にいえば、
「秋が深まり、冷たい露が見られる頃」
を表した言葉です。
ただし、寒露になったからといって露が凍るという意味ではありません。
露が霜へと変わるほど冷え込む季節は、この次に訪れる「霜降」に近づいてからです。
寒露は、秋分から霜降へ向かう途中の「秋がさらに深まる時期」と考えるとわかりやすいでしょう。
寒露と秋分の違い
寒露のひとつ前に訪れるのが「秋分」です。
どちらも秋を表す二十四節気ですが、意味は異なります。
秋分
秋分は9月下旬頃に訪れます。
昼と夜の長さがほぼ同じになる頃で、日本では「秋分の日」という国民の祝日もあります。
秋のお彼岸の中日にあたることでも知られています。
寒露
寒露は秋分より後の10月上旬頃です。
朝晩の気温がさらに下がり、冷たい露や渡り鳥などから秋の深まりを感じる頃です。
季節の流れとしては、
秋分
↓
寒露
と進んでいきます。
秋分について詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
関連記事:秋分とは?意味や時期・秋分の日との違い・食べ物や行事をわかりやすく解説
寒露と霜降の違い
寒露の次に訪れる二十四節気が「霜降(そうこう)」です。
名前が似ているため混同しやすいですが、季節の進み方に違いがあります。
寒露
冷たい露が見られるようになり、秋が深まっていく頃です。
霜降
朝晩の冷え込みがさらに強くなり、地域によっては霜が降り始める頃です。
つまり、
寒露 → 冷たい露を感じる頃
霜降 → さらに寒くなり、霜が見られるようになる頃
という違いがあります。
寒露から霜降へ進むことで、本格的な秋から冬の入り口へ近づいていきます。
寒露の頃に見られる季節の変化
朝晩の冷え込みが強くなる
寒露の頃になると、日中は過ごしやすくても、朝晩には肌寒さを感じる日が増えてきます。
昼と朝晩との気温差が大きくなることもあるため、外出するときは羽織れるものを用意しておくと便利です。
夏のような薄着だけでは寒く感じることが増え、衣替えを進める時期でもあります。
日が短くなったことを感じやすくなる
秋分を過ぎると、昼より夜の時間が長くなっていきます。
寒露の頃には、
「夕方になるとすぐ暗くなる」
と感じることも増えてくるでしょう。
秋の夜が長く感じられることから、「秋の夜長」という言葉がよく使われる季節でもあります。
渡り鳥の姿が見られるようになる
寒露の頃になると、冬を日本で過ごす渡り鳥が北の地域から飛来し始めます。
七十二候にも「鴻雁来(こうがんきたる)」という言葉があり、雁が日本へ渡ってくる様子が表されています。
空を見上げたときに鳥の群れを見かけるなど、身近な自然から季節の変化を感じられることもあります。
秋の花が楽しめる
秋になると、コスモスや菊などさまざまな花を楽しめます。
特に菊は寒露の七十二候にも登場する、秋を代表する花のひとつです。
地域によっては菊を楽しむ展示会やイベントなどが行われることもあります。
紅葉が少しずつ進む
紅葉の時期は地域や標高によって大きく異なりますが、寒露の頃になると山間部や気温の低い地域から少しずつ葉が色づき始めます。
その後、季節が霜降から立冬へ進むにつれて、紅葉が見頃になる地域も増えていきます。
紅葉は気温などによって時期が変わるため、「寒露になれば必ず紅葉する」と考えず、季節の目安として楽しみましょう。
寒露の七十二候
二十四節気をさらに細かく分けたものを「七十二候(しちじゅうにこう)」といいます。
ひとつの二十四節気を初候・次候・末候の3つに分け、それぞれ約5日ごとの自然や生き物の変化を表しています。
寒露の頃は、次の3つです。
鴻雁来(こうがんきたる)

寒露の最初の候です。
「鴻雁」は雁のことを表しています。
北の地域で夏を過ごしていた雁が、日本へ渡ってくる頃という意味です。
春になると再び北へ帰っていく渡り鳥で、秋の訪れを知らせる存在として昔から親しまれてきました。
七十二候には春に雁が北へ帰る様子を表した「鴻雁北(こうがんかえる)」もあります。
菊花開(きくのはなひらく)

寒露の次の候です。
文字どおり、菊の花が咲き始める頃を表しています。
菊は古くから日本でも親しまれてきた秋の花です。
観賞するだけでなく、食用菊として料理に使われる地域もあります。
寒露の頃に菊を見かけたら、秋がさらに深まってきた目印のひとつと考えてみてもよいでしょう。
蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)

寒露の最後の候です。
秋の虫が戸口付近で鳴く頃を表した言葉です。
国立天文台の七十二候では「蟋蟀在戸」の読みを「きりぎりすとにあり」としています。
現代で「キリギリス」と呼ばれる虫だけを指すというより、秋の夜に鳴く虫の声を表した季節の言葉として捉えるとわかりやすいでしょう。
虫の声が聞こえる静かな秋の夜も、寒露らしい季節の風景のひとつです。
寒露の頃にある行事
寒露そのものに「必ず行う」という決まった行事があるわけではありません。
ただし10月上旬から下旬にあたるため、さまざまな秋の行事と時期が重なります。
十三夜

秋のお月見というと「十五夜」がよく知られていますが、日本では「十三夜」に月を眺める風習もあります。
十三夜は旧暦9月13日の夜を指すため、現在の暦では毎年日付が変わります。
そのため、寒露の期間と重なる年もあれば、少しずれる年もあります。
十五夜では月見団子やススキなどがよく知られていますが、十三夜では栗や豆を供えることから、
「栗名月」
「豆名月」
と呼ばれることもあります。
寒露の行事そのものではありませんが、秋の夜長を楽しむ日本の風習のひとつです。
スポーツの日

10月の第2月曜日は「スポーツの日」です。
スポーツの日は国民の祝日のひとつで、寒露の期間と重なることが多くあります。
秋は真夏に比べて気温が落ち着き、屋外で身体を動かしやすくなる時期でもあります。
ただし、スポーツの日は寒露に由来する行事ではありません。
あくまで同じ時期にある行事として区別して考えましょう。
寒露の頃に楽しめる食べ物
寒露の日に「必ずこれを食べる」という決まった行事食はありません。
ただし、10月頃はさまざまな秋の味覚が楽しめる季節です。
ここでは、寒露の頃に食卓へ取り入れやすい食材を紹介します。
サバ

サバにはさまざまな種類があり、旬は種類や産地によって異なります。
「秋サバ」という言葉もあるように、秋に脂がのったサバを楽しむ地域もあります。
塩焼き、味噌煮、竜田揚げなど料理の種類も多く、秋の食卓にも取り入れやすい魚です。
ただし、「寒露になればすべてのサバが最もおいしい」と決まっているわけではないため、産地や種類による違いも考えて選びましょう。
栗

秋を代表する食べ物のひとつが栗です。
栗ごはん、甘露煮、和菓子、モンブランなど、さまざまな料理やお菓子で楽しめます。
品種や地域によって収穫時期は異なりますが、秋らしさを感じられる食材のひとつです。
里芋

里芋も秋から冬にかけて多く出回る食材です。
煮物、汁物、炊き込みご飯などさまざまな料理に使えます。
十五夜や十三夜など、秋の月見文化とも関わりのある食材として知られています。
きのこ

しいたけ、しめじ、舞茸などのきのこ類は現在では一年を通して購入できますが、秋を代表する食材として親しまれています。
炊き込みご飯や鍋、汁物など、朝晩が涼しくなる寒露の頃にも取り入れやすいでしょう。
天然のきのこについては、種類や地域によって旬が異なります。
柿

秋になると柿も多く出回るようになります。
甘柿や渋柿などさまざまな種類があり、生で食べるほか、干し柿として楽しむ方法もあります。
品種によって収穫時期が異なりますが、寒露から霜降へ向かう頃に秋らしさを感じさせる果物のひとつです。
寒露の前後には「秋分」と「霜降」がある
二十四節気では、寒露のひとつ前が「秋分」、次が「霜降」です。
国立天文台でも、
秋分 → 寒露 → 霜降
の順番になっています。
秋分
秋分は9月下旬頃に訪れます。
昼と夜の長さがほぼ同じになる頃で、秋のお彼岸の中日にあたります。
関連記事:秋分とは?意味や時期・秋分の日との違い・食べ物や行事をわかりやすく解説
霜降
霜降は10月下旬頃に訪れます。
寒露よりさらに季節が進み、朝晩の冷え込みが強くなって、地域によっては霜が見られるようになる頃です。
関連記事:霜降とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
寒露についてよくある質問
寒露は何と読む?
「かんろ」と読みます。
「寒」は寒さ、「露」は草木などにつく水滴を表しており、秋が深まって露に冷たさを感じる頃を表す言葉です。
寒露は毎年同じ日?
完全に同じ日ではありません。
太陽の位置によって決まるため多少前後しますが、おおむね10月8日頃です。
毎年の日付を覚える必要はなく、「10月上旬頃」と考えておけばよいでしょう。
寒露は秋?冬?
寒露は秋です。
二十四節気では、立秋から立冬の前日までが暦の上での秋にあたります。
寒露の次には霜降があり、そのさらに次に立冬を迎えます。
つまり寒露は、本格的な秋から晩秋へ向かっている時期といえます。
寒露になると霜が降りる?
寒露の名前に「寒」という字が入っていますが、必ず霜が降りるという意味ではありません。
霜が見られるほど季節が進む頃を表す二十四節気は、寒露の次の「霜降」です。
ただし、日本は南北に長いため、実際の気温や霜が見られる時期は地域によって異なります。
寒露には何をすればいい?
寒露に必ず行うべき行事はありません。
秋の花を楽しんだり、夜空を眺めたり、旬の食べ物を味わったりするだけでも季節を感じられます。
また、朝晩の冷え込みが強くなってくるため、秋冬物の衣類や寝具を準備する時期として考えるのもよいでしょう。
まとめ|寒露は本格的な秋の深まりを感じる頃
寒露は二十四節気のひとつで、10月上旬頃に訪れる季節の節目です。
秋分を過ぎ、朝晩の気温が下がって、草木についた露にも冷たさを感じるようになる頃を表しています。
寒露の頃になると、
- 朝晩が肌寒くなる
- 日が短くなる
- 雁などの渡り鳥が飛来する
- 菊などの秋の花が咲く
- 紅葉が少しずつ始まる
など、秋らしい自然の変化を感じやすくなります。
寒露に決まった行事食はありませんが、栗や里芋、きのこ、柿など、秋ならではの味覚を楽しめる季節でもあります。
二十四節気では、秋分から寒露へ進み、その後は霜が見られる時期を表す「霜降」へと移っていきます。
「朝晩がずいぶん寒くなった」
「夕方に暗くなるのが早くなった」
と感じ始めたら、それは秋がさらに深まってきたサインかもしれません。
身近な空や植物、食べ物などに目を向けながら、寒露ならではの秋の変化を楽しんでみてください。

