「穀雨(こくう)」という言葉をカレンダーなどで見かけて、
「穀雨ってどんな意味?」
「いつ頃の季節なの?」
「雨が多くなる時期なの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
穀雨は、1年を24の季節に分けた「二十四節気」のひとつです。
春の二十四節気では最後にあたり、春の雨が田畑や草木を潤し、植物が成長していく頃を表しています。
国立天文台では、穀雨を「穀物をうるおす春雨が降る」頃と説明しています。
この記事では、穀雨の意味や時期、清明・立夏との違い、七十二候、季節の特徴、八十八夜との関係、食べ物や行事についてわかりやすく解説します。
穀雨とは?

穀雨は「こくう」と読み、二十四節気のひとつです。
二十四節気は、太陽の位置をもとに1年を24に分け、季節の移り変わりを表したものです。
穀雨は太陽黄経が30度になる頃にあたり、清明の次、立夏の前に訪れます。
春の二十四節気は、
立春
↓
雨水
↓
啓蟄
↓
春分
↓
清明
↓
穀雨
という順番です。
穀雨は春の最後の二十四節気で、次の立夏を迎えると暦の上では夏になります。
春の雨によって田畑が潤い、草木や農作物が育っていく季節を表した言葉です。
二十四節気について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

穀雨はいつ頃?

穀雨は、毎年4月19~20日頃に訪れます。
太陽の位置によって決まるため、毎年必ず同じ日になるわけではありません。
国立天文台の暦では、2026年と2027年はいずれも4月20日に穀雨を迎えます。
毎年の日付を覚えるより、
「穀雨=4月下旬頃」
と覚えておくとわかりやすいでしょう。
また、穀雨という言葉は穀雨に入る最初の日だけでなく、次の二十四節気である立夏までのおよそ15日間を指す場合もあります。
「穀雨」という名前にはどんな意味がある?
穀雨という漢字は、
「穀物」の「穀」
「雨」の「雨」
からできています。
その名のとおり、穀物や植物の成長を助ける春の雨を表した言葉です。
国立天文台でも「穀物をうるおす春雨が降る」頃と説明されています。
春になって暖かくなると、田畑では農作業が本格化し、草木も勢いよく成長していきます。
そんな植物にとって大切な雨が降る季節を表しているのが穀雨です。
ただし、
「穀雨の日は必ず雨が降る」
という意味ではありません。
二十四節気はその日の天気を予測するものではなく、季節の移り変わりを表す目安です。
穀雨と清明の違い
穀雨のひとつ前に訪れる二十四節気が「清明(せいめい)」です。
清明
清明は4月上旬頃に訪れます。
春の草木や花、生き物などが生き生きとして見える頃です。
桜や新緑などから、本格的な春を感じやすくなる時期でもあります。
穀雨
穀雨は4月下旬頃です。
清明からさらに季節が進み、春の雨が田畑や植物を潤す頃を表しています。
つまり、
清明 → 草木や生き物が生き生きとしてくる頃
穀雨 → 春の雨によって植物や穀物が育つ頃
と考えるとわかりやすいでしょう。
関連記事:清明とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
穀雨と立夏の違い
穀雨の次に訪れる二十四節気が「立夏(りっか)」です。
穀雨
4月下旬頃に訪れ、二十四節気では春の最後にあたります。
春の雨が植物を潤し、新緑がさらに鮮やかになっていく時期です。
立夏
立夏は5月5~6日頃に訪れます。
国立天文台では「夏の気配が感じられる」頃とされ、二十四節気では立夏から暦の上で夏が始まります。
つまり、
穀雨 → 春の最後
立夏 → 夏の始まり
という違いがあります。
関連記事:立夏とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
穀雨の頃に感じられる季節の変化
新緑が鮮やかになる
穀雨の頃になると、木々の新しい葉がさらに成長し、山や公園の緑が鮮やかになってきます。
桜の花が終わった地域でも、今度は新緑から春の深まりを感じられるでしょう。
このあと立夏を迎える頃には、初夏らしい緑へと変化していきます。
暖かい日が増える
4月下旬になると、日中には汗ばむほど暖かくなる日もあります。
一方で、朝晩には肌寒さを感じることもあり、日によって気温差が大きくなる場合があります。
季節は夏へ向かっていますが、薄手の上着などで調整しやすい服装にすると過ごしやすいでしょう。
春の雨が植物を潤す
穀雨は、植物の成長と雨の関係を表した二十四節気です。
雨が降るたびに木々の葉が成長したり、田畑の植物が育ったりする様子から季節の変化を感じられます。
ただし、実際の降水量は地域やその年の天候によって異なります。
田畑の風景が変わってくる
春が進むと、田畑でもさまざまな農作業が行われるようになります。
地域によって時期は異なりますが、田植えに向けた準備や作物の栽培などが本格化していく季節です。
昔の人々にとって、春の雨は作物を育てるうえで大切な自然の恵みでした。観賞がおすすめです。まるで花のシャワーに包まれるような感覚を味わえます。
穀雨の七十二候
二十四節気をさらに約5日ずつ3つに分けたものを「七十二候(しちじゅうにこう)」といいます。
現在一般的に使われている七十二候では、穀雨は次の3つです。
葭始生(あしはじめてしょうず)

穀雨の最初の候です。
水辺に生える葦が芽を出し始める頃を表しています。
暖かくなり、冬には静かだった水辺にも新しい植物が育ち始めます。
水辺の植物の変化から、本格的な春の訪れを感じられる七十二候です。
霜止出苗(しもやんでなえいずる)

穀雨の次の候です。
霜が降りる時期が終わり、植物の苗が育ち始める頃を表しています。
寒さがやわらぎ、農作物や草木が成長しやすい季節へ移っていく様子が表されています。
ただし、実際に霜が降りなくなる時期は地域や標高によって異なります。
地域によっては穀雨の頃でも遅霜が発生することがあります。
牡丹華(ぼたんはなさく)

穀雨の最後の候です。
牡丹の花が咲く頃を表しています。
牡丹は大きく華やかな花を咲かせることで知られ、春から初夏にかけて見頃を迎えます。
国立天文台の七十二候では、
葭始生
↓
霜止出苗
↓
牡丹華
という順番になっています。
植物の芽生え、苗の成長、花の開花と、春が進んでいく様子がわかりやすく表されています。
穀雨と八十八夜の関係
穀雨の頃に覚えておきたい季節の言葉が「八十八夜(はちじゅうはちや)」です。
八十八夜は二十四節気ではなく「雑節」のひとつで、立春から数えて88日目にあたります。
国立天文台でも、八十八夜を「立春から数えて88日目」としています。
八十八夜は例年5月初め頃なので、穀雨から立夏へ移る頃と重なります。
「夏も近づく八十八夜」という言葉があるように、春が終わり、夏が近づいていることを感じる季節の目安です。
八十八夜と新茶
八十八夜というと「新茶」を思い浮かべる方も多いでしょう。
春に芽吹いた新しい茶葉を摘んで作るお茶は、新茶や一番茶と呼ばれます。
茶摘みの時期は産地や品種、気候などによって異なるため、すべての茶畑で八十八夜の日に茶摘みが行われるわけではありません。
八十八夜は、お茶の季節を感じる昔からの目安のひとつとして考えるとよいでしょう。
穀雨の頃にある行事
穀雨そのものに、日本全国で共通して行う決まった行事はありません。
ただし、4月下旬から5月上旬にあたるため、春から初夏へ移るさまざまな行事やイベントと重なります。
八十八夜

立春から数えて88日目にあたる雑節です。
新茶の季節としてよく知られているほか、昔から農作業の目安としても意識されてきました。国立天文台では「晩霜への注意」と説明されています。
ゴールデンウィーク

4月下旬から5月上旬は、祝日が続くゴールデンウィークの時期です。
旅行や帰省、レジャーなどを楽しむ人も多く、新緑の美しい季節に外出しやすい時期でもあります。
ゴールデンウィークは穀雨に由来する行事ではありませんが、現代の日本では穀雨の時期を代表する大型連休です。
穀雨の頃に楽しめる食べ物
穀雨の日に、日本全国で共通して食べる決まった行事食はありません。
4月下旬から5月上旬頃に出回る春の食材を取り入れると、季節を楽しみやすいでしょう。
新玉ねぎ

春になると多く出回るのが新玉ねぎです。
収穫後に長期間乾燥させず出荷されるものが多く、みずみずしい食感が特徴です。
サラダやマリネ、スープ、炒め物など幅広く楽しめます。
たけのこ

春を代表する食材のひとつです。
たけのこご飯や煮物、天ぷら、汁物などさまざまな料理に使えます。
地域や種類によって旬は異なりますが、穀雨の頃にも楽しみやすい春の味覚です。
春キャベツ

春キャベツもこの時期に楽しみやすい野菜です。
葉がやわらかく、みずみずしいものが多いため、サラダや浅漬け、炒め物などさまざまな料理に使えます。
ふき

ふきは春に出回る山菜のひとつです。
煮物や炒め物などにすると、春らしい香りや味わいを楽しめます。
下処理が必要な場合は、購入した商品の案内などを確認して調理しましょう。
新じゃがいも

春から初夏にかけては、新じゃがいもも店頭に並びます。
皮が薄く、みずみずしいものが多く、煮物や炒め物、じゃがバターなどさまざまな料理に使えます。
収穫時期は産地によって異なります。
初鰹

春から初夏にかけて日本近海を北上するカツオは「初鰹」として知られています。
時期は漁場や地域によって異なりますが、春から初夏を感じられる魚のひとつです。
刺身やたたきなど、地域に合わせた食べ方で楽しめます。
穀雨の前後には「清明」と「立夏」がある
二十四節気では、穀雨のひとつ前が清明、次が立夏です。
季節は、
清明
↓
穀雨
↓
立夏
という順番で進みます。
清明は太陽黄経15度、穀雨は30度、立夏は45度となり、15度ずつ季節が進んでいきます。
清明
清明は4月上旬頃に訪れます。
草木や生き物が生き生きとし、本格的な春を感じられる頃です。
関連記事:清明とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
立夏
立夏は5月5~6日頃に訪れます。
二十四節気では立夏から暦の上で夏が始まります。
関連記事:立夏とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
穀雨についてよくある質問
穀雨は何と読む?
「こくう」と読みます。
二十四節気のひとつで、穀物を潤す春の雨が降る頃を表しています。
穀雨は毎年同じ日?
完全に同じ日ではありません。
太陽の位置によって決まり、おおむね4月19~20日頃です。
毎年の日付ではなく「4月下旬頃」と覚えておけばよいでしょう。
穀雨になると必ず雨が降る?
いいえ。
穀雨は季節の移り変わりを表す二十四節気で、その日に必ず雨が降るという意味ではありません。
実際の天候は地域やその年によって異なります。
穀雨は春?夏?
穀雨は春です。
春の二十四節気では最後にあたり、穀雨の次に立夏を迎えると暦の上では夏になります。
穀雨と梅雨は同じ?
同じではありません。
穀雨は4月下旬頃に訪れる二十四節気です。
梅雨は一般的にその後の初夏に訪れる長雨の時期を指します。
「雨」という共通点はありますが、穀雨と梅雨は別の季節の言葉です。
穀雨と八十八夜は同じ?
同じではありません。
穀雨は二十四節気のひとつで、八十八夜は立春から数えて88日目となる雑節です。
八十八夜は穀雨から立夏へ移る頃に訪れます。
穀雨には何を食べる?
穀雨の日に全国共通で食べる決まった行事食はありません。
たけのこ、新玉ねぎ、春キャベツ、新じゃがいもなど、この時期に出回る春の食材を楽しむとよいでしょう。
まとめ|穀雨は春の雨が植物を育てる季節の節目
穀雨は二十四節気のひとつで、4月下旬頃に訪れます。
国立天文台では「穀物をうるおす春雨が降る」頃とされ、春の雨によって田畑や草木が潤い、植物が成長していく季節を表しています。
穀雨の頃には、
- 新緑が鮮やかになる
- 暖かい日が増える
- 春の雨が植物を潤す
- 田畑の農作業が進む
- 八十八夜を迎える
- 春から初夏の食材を楽しめる
など、春から夏へ向かう変化を感じられます。
七十二候では、
葭始生
↓
霜止出苗
↓
牡丹華
と進み、植物の芽生えや成長、花の開花から春の深まりが表されています。
穀雨は春の最後の二十四節気です。
次に立夏を迎えると、暦の上では夏が始まります。
新緑や春の雨、旬の食べ物などに目を向けながら、春から初夏へ移っていく季節を楽しんでみてください。

