「小満(しょうまん)」という言葉をカレンダーなどで見かけて、
「小満ってどんな意味?」
「いつ頃の季節なの?」
「立夏や芒種とは何が違うの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
小満は、1年を24の季節に分けた「二十四節気」のひとつです。
暦の上で夏が始まる立夏を過ぎ、草木や作物、生き物などが勢いよく成長していく頃にあたります。
国立天文台では、小満を「すべてのものがしだいにのびて天地に満ち始める」頃と説明しています。
この記事では、小満の意味や時期、立夏・芒種との違い、七十二候、季節の特徴、食べ物や行事についてわかりやすく解説します。
小満とは?

小満は「しょうまん」と読み、二十四節気のひとつです。
二十四節気は、太陽の位置をもとに1年を24に分け、季節の移り変わりを表したものです。
小満は太陽黄経が60度になる頃にあたり、立夏の次、芒種の前に訪れます。
夏の二十四節気は、
立夏 → 小満 → 芒種 → 夏至 → 小暑 → 大暑
という順番で進みます。
立夏で暦の上では夏が始まり、小満になると気温も上がって、草木や農作物がさらに勢いよく成長していきます。
「小満」という少し不思議な名前も、万物が少しずつ成長し、天地に満ち始める季節を表していると考えるとわかりやすいでしょう。
二十四節気について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

小満はいつ頃?

小満は、毎年5月20~21日頃に訪れます。
日付が完全に固定されているわけではなく、太陽の位置によって多少変わります。国立天文台の暦でも、小満は太陽黄経60度になる時点として定められています。
毎年の日付を覚えるより、
「小満=5月下旬頃」
と覚えておくとわかりやすいでしょう。
また「小満」という言葉は、小満に入る最初の日だけでなく、次の二十四節気である芒種までのおよそ15日間を指す場合もあります。
「小満」という名前にはどんな意味がある?
国立天文台では、小満について「すべてのものがしだいにのびて天地に満ち始める」と説明しています。
春に芽を出した草木が大きく成長し、木々の緑も濃くなっていく時期です。
田畑でも作物が育ち、生き物の活動も活発になっていきます。
「満」という字が使われていますが、すべてが完全に満ちたという意味ではなく、
「少しずつ成長して満ちていく頃」
と考えると、小満という名前の意味をイメージしやすいでしょう。
小満と立夏の違い
小満のひとつ前に訪れる二十四節気が「立夏(りっか)」です。
立夏
立夏は5月5~6日頃に訪れます。
二十四節気では夏の最初にあたり、暦の上で夏が始まる節目です。
まだ春らしい過ごしやすさが残る地域もありますが、新緑が美しく、少しずつ夏の気配を感じる頃です。
小満
小満は5月20~21日頃に訪れます。
立夏からさらに季節が進み、草木などが勢いよく成長していく頃です。
つまり、
立夏は「夏の始まり」、小満は「夏が進み、万物の成長が目立ってくる頃」
という違いがあります。
関連記事:立夏とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
小満と芒種の違い
小満の次に訪れる二十四節気が「芒種(ぼうしゅ)」です。
小満
5月下旬頃に訪れ、草木や作物、生き物などが成長して天地に満ち始める頃です。
芒種
芒種は6月5~6日頃に訪れます。
国立天文台では、稲などの「芒(のぎ)」のある穀物を植える頃と説明しています。
小満から芒種へ進むにつれて、初夏から梅雨の季節へと近づいていきます。
関連記事:芒種とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
小満の頃に感じられる季節の変化
木々の緑が濃くなる
立夏の頃に鮮やかだった新緑は、小満になるとさらに成長し、木々の緑が少しずつ濃くなっていきます。
山や公園、街路樹などを見ても、春とは違った初夏らしい景色を感じられるでしょう。
日差しも強くなり、晴れた日には夏のような暑さになることもあります。
日がさらに長くなる
小満は夏至のおよそ1か月前です。
春分を過ぎてから昼の時間は長くなり続けているため、小満の頃には夕方になっても明るいと感じる日が増えてきます。
このあと芒種を経て夏至を迎えると、北半球では一年の中で昼の時間が最も長くなる頃となります。
草木や作物の成長が目立つ
小満の名前が表しているように、この頃は植物の成長が特にわかりやすい季節です。
庭や公園では草が伸び、木々には葉が茂ります。
農作物についても地域ごとの気候や栽培方法に合わせて成長が進み、田植えなどの農作業が行われる地域もあります。
初夏らしい暑さを感じる日が増える
5月下旬になると、日中の気温が高くなる日も増えてきます。
一方で朝晩は涼しかったり、天候によって気温が大きく変化したりすることもあります。
小満は、春の過ごしやすさから夏らしい暑さへ少しずつ移っていく時期でもあります。
小満と梅雨の関係
小満は5月下旬頃なので、日本列島では梅雨を意識し始める時期でもあります。
ただし、梅雨入りの時期には大きな地域差があります。
気象庁の平年値では、沖縄地方の梅雨入りは5月10日頃、奄美地方は5月12日頃です。そのため、小満の頃には沖縄や奄美ですでに梅雨を迎えている年が多くあります。
一方、九州南部の平年の梅雨入りは5月30日頃で、九州北部・四国・中国・近畿・東海・関東甲信などでは6月上旬頃が平年となっています。
つまり、小満は地域によって、
「すでに梅雨の時期」
または
「これから梅雨を迎える時期」
にあたります。
小満になれば日本全国で梅雨に入るという意味ではありません。
小満の七十二候
二十四節気をさらに約5日ずつ3つに分けたものを「七十二候(しちじゅうにこう)」といいます。
現在一般的に使われている七十二候では、小満は「蚕起食桑」「紅花栄」「麦秋至」の3つに分けられています。
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

小満の最初の候です。
蚕が桑の葉を盛んに食べ始める頃を表しています。
蚕は桑の葉を食べて成長し、やがて繭を作ります。
日本ではかつて養蚕が盛んに行われていたため、蚕の成長は人々の暮らしとも深く関わっていました。
草木だけでなく、生き物の成長からも小満らしい季節を感じられる七十二候です。
紅花栄(べにばなさかう)

小満の次の候です。
紅花が盛んに咲く頃を表しています。
紅花は黄色からオレンジ色の花を咲かせ、昔から染料などにも利用されてきました。
実際の開花時期は地域や栽培環境によって異なりますが、七十二候では初夏を代表する植物の変化として表されています。
麦秋至(むぎのときいたる)

小満の最後の候です。
麦が実り、収穫の時期を迎える頃を表しています。
「麦秋」と書くため秋の季節を想像するかもしれませんが、ここでの「秋」は穀物が実る収穫の時期という意味で使われています。
周囲の木々が緑に覆われる中、麦畑が黄金色になる景色は初夏ならではのものです。
国立天文台の七十二候でも、
蚕起食桑 → 紅花栄 → 麦秋至
という順番になっています。
小満の頃にある行事や暮らし
小満そのものに、日本全国で共通して行う決まった行事があるわけではありません。
ただし、5月下旬から6月上旬にあたるため、夏へ向けて暮らしを変えていく時期でもあります。
田植えなどの農作業

小満から芒種にかけては、地域によって田植えなどの農作業が行われます。
農作業の時期は地域や品種、栽培方法によって大きく異なりますが、田畑の様子から季節の変化を感じられる頃です。
七十二候に蚕や麦が登場することからも、小満が昔から農業や人々の暮らしと深く関わる季節だったことがうかがえます。
衣替えの準備

一般的に6月1日頃を衣替えの目安とする学校や職場も多いため、小満の後半は夏服を準備する時期と重なります。
厚手の衣類を片付けたり、半袖など夏向けの服を出したりする家庭も多いでしょう。
ただし、現在は気温に合わせて柔軟に服装を変えることも増えており、必ず決まった日に衣替えをする必要はありません。
小満の頃に楽しめる食べ物
小満の日に全国共通で食べる決まった行事食はありません。
そのため、5月下旬から6月頃に楽しみやすい初夏の食材を取り入れると、季節を感じやすいでしょう。
そら豆

そら豆は春から初夏にかけて出回る野菜です。
塩ゆでをはじめ、焼きそら豆、天ぷら、炒め物、スープなどさまざまな料理で楽しめます。
産地や品種によって出荷時期は異なりますが、小満の頃にも店頭で見かけやすい食材です。
びわ

びわは初夏を感じさせる果物のひとつです。
やわらかな果肉とやさしい甘さが特徴で、5月から6月頃に多く出回ります。
品種や栽培方法によって時期は異なりますが、小満から芒種にかけて楽しみやすい果物です。
キス

キスは初夏から夏にかけて楽しめる魚として知られています。
淡泊な味わいで、天ぷらや塩焼きなどさまざまな料理に使われます。
旬や漁獲時期は地域によって異なりますが、初夏らしさを感じられる魚のひとつです。
新じゃがいも

春から初夏にかけて、新じゃがいもも多く流通します。
一般的なじゃがいもに比べて皮が薄く、みずみずしいものが多いため、煮物や炒め物、じゃがバターなどさまざまな料理で楽しめます。
産地によって収穫時期が異なるため、地域ごとの旬を楽しむのもよいでしょう。
アスパラガス

アスパラガスも春から初夏に旬を迎える地域があります。
ゆでたり焼いたりするほか、炒め物やサラダ、パスタなど幅広い料理に使えます。
鮮やかな緑色も、初夏らしい食卓に取り入れやすい食材です。
小満の前後には「立夏」と「芒種」がある
二十四節気では、小満のひとつ前が立夏、次が芒種です。
季節は、
立夏 → 小満 → 芒種
という順番で進みます。
国立天文台の暦では、立夏は太陽黄経45度、小満は60度、芒種は75度となり、15度ずつ季節が進んでいきます。
立夏
立夏は5月5~6日頃に訪れます。
暦の上で夏が始まり、新緑や日差しなどから夏の気配を感じる頃です。
関連記事:立夏とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
芒種
芒種は6月5~6日頃に訪れます。
稲など芒のある穀物を植える頃を表し、小満からさらに夏が進んだ節気です。
関連記事:芒種とは?意味や時期・季節の特徴・食べ物や行事をわかりやすく解説
小満についてよくある質問
小満は何と読む?
「しょうまん」と読みます。
二十四節気のひとつで、草木や生き物など、さまざまなものが成長して天地に満ち始める頃を表しています。
小満は毎年同じ日?
完全に同じ日ではありません。
太陽の位置によって決まり、おおむね5月20~21日頃です。
毎年の日付ではなく「5月下旬頃」と覚えておけばよいでしょう。
小満は春?夏?
小満は夏です。
二十四節気では立夏から立秋の前までが暦の上での夏にあたり、小満は立夏に続く2番目の夏の節気です。
小満になると梅雨に入る?
日本全国が小満に梅雨入りするわけではありません。
沖縄や奄美では小満の頃に梅雨を迎えている年が多い一方、本州などでは一般的にこれから梅雨へ向かう時期です。
小満の次は何?
次の二十四節気は「芒種」です。
芒種は6月上旬頃に訪れ、小満からさらに夏が進み、梅雨の時期へ近づいていきます。
小満には何を食べる?
小満の日に全国共通で食べる決まった行事食はありません。
そら豆やびわ、新じゃがいもなど、春から初夏に出回る旬の食材を楽しむとよいでしょう。
まとめ|小満は万物が成長して天地に満ち始める頃
小満は二十四節気のひとつで、5月下旬頃に訪れます。
国立天文台では「すべてのものがしだいにのびて天地に満ち始める」頃とされ、植物や作物、生き物などの成長から初夏の深まりを感じられる季節です。
小満の頃には、
- 木々の緑が濃くなる
- 草木や作物が成長する
- 昼の時間がさらに長くなる
- 初夏らしい暑さを感じる日が増える
- 地域によって梅雨の季節が始まる
- そら豆やびわなど初夏の食材を楽しめる
といった季節の変化が見られます。
七十二候では、
蚕起食桑 → 紅花栄 → 麦秋至
と進み、蚕・紅花・麦という自然や農作物の変化から、初夏が深まっていく様子が表されています。
小満の次に訪れるのは「芒種」です。
濃くなっていく緑や日の長さ、旬の食べ物などに目を向けながら、春から本格的な夏へ向かう季節の変化を楽しんでみてください。

