「鏡開きって何をする行事?」
「鏡開きはいつ?」
「なぜ鏡餅を包丁で切ってはいけないの?」
「樽酒を木づちで開けるのも鏡開きなの?」
お正月が終わる頃に耳にする「鏡開き」。
一般的には、お正月に年神様へお供えした鏡餅を下ろし、無病息災を願って食べる行事を指します。
一方、結婚式や祝賀会などで酒樽のふたを木づちで開くことも「鏡開き」と呼ばれます。
同じ名前ですが、この2つは行う場面や意味が異なります。
この記事では、鏡開きの意味や由来、行う日、鏡餅の正しい開き方、樽酒の鏡開きとの違いまでわかりやすく解説します。
鏡開きとは?
鏡開きとは、お正月に年神様へお供えしていた鏡餅を下ろし、無病息災を願って食べる日本の年中行事です。
多くの地域では1月11日に行われます。
お正月に飾った鏡餅は、飾って終わりではありません。
年神様にお供えした鏡餅を家族でいただくところまでが、鏡開きの大切な意味とされています。
鏡餅を雑煮やぜんざいなどにして食べ、一年の健康や幸せを願います。
鏡開きはいつ?一般的には1月11日
鏡開きは、多くの地域で1月11日に行われます。
ただし、日本全国で必ず同じ日というわけではありません。
地域や家庭によっては、
・1月11日
・1月15日
・1月20日
・京都など一部地域では1月4日
などに行われることがあります。
そのため、「鏡開き=全国どこでも必ず1月11日」と考えるのではなく、
一般的には1月11日だが、地域によって異なる
と覚えておくとよいでしょう。
鏡開きは毎年日付が変わる?
一般的な鏡開きの日付は、二十四節気のように毎年変わるものではありません。
多くの地域では毎年1月11日です。
そのため、
「今年の鏡開きはいつ?」
と毎年確認する必要は基本的にありません。
ただし、地域によって鏡開きを行う日が異なるため、地域の風習を大切にしている家庭では、その地域の日程に合わせるとよいでしょう。
なぜ「鏡開き」という名前なの?
「鏡開き」という名前には、「鏡」と「開く」それぞれに意味があります。
「鏡」は鏡餅の形に由来する
鏡餅の「鏡」は、昔の丸い銅鏡に形が似ていることに由来するとされています。
鏡は古くから神聖なものとして扱われてきました。
その鏡をかたどった丸い餅を年神様へのお供え物としたことから、「鏡餅」と呼ばれるようになったとされています。
「割る」ではなく「開く」という
鏡開きでは、硬くなった鏡餅を手や木づちなどで分けて食べます。
しかし、「割る」という言葉は縁起がよくないと考えられたため、「開く」という縁起のよい表現が使われるようになりました。
そのため、
鏡餅を割る
↓
鏡を開く
↓
鏡開き
と呼ばれています。
鏡餅にはどんな意味がある?
鏡餅は、お正月に年神様を迎えるためのお供え物です。
農林水産省でも、鏡餅を新年の神様である年神様へのお供え物として紹介しています。
昔ながらの鏡餅は、丸い餅を上下に重ねた形が一般的です。
地域や家庭によって飾り方は異なりますが、
・橙
・裏白
・ゆずり葉
などを飾ることもあります。
それぞれに長寿や家の繁栄などを願う意味が込められてきました。
鏡餅は食べるところまでが鏡開き
鏡開きでは、鏡餅を下ろすだけで終わりではありません。
お供えしていた餅を食べることが大切です。
年神様にお供えした鏡餅をいただき、新しい一年の健康を願うというのが鏡開きの基本です。
食べられる状態の鏡餅であれば、捨てずに雑煮やぜんざいなどにしていただきましょう。
鏡餅を包丁で切らないのはなぜ?
伝統的な鏡開きでは、鏡餅を包丁で切らず、手や木づちを使って分けます。
刃物で「切る」ことを縁起が悪いとして避けてきたためです。
農林水産省でも、鏡餅は包丁を使わず、木づちなどで割る行事として紹介されています。
ただし、現在は昔ながらの大きな鏡餅だけでなく、プラスチック容器の中に個包装された切り餅が入っている商品も多くなっています。
このような商品は無理に木づちで叩く必要はありません。
商品の説明に従って容器を開け、中の餅を取り出して食べれば大丈夫です。
鏡開きの基本的なやり方
昔ながらの鏡餅の場合は、次の流れで行います。
- 飾っていた鏡餅を下ろす
- 鏡餅の状態を確認する
- 手や木づちなどで食べやすい大きさに分ける
- 雑煮やぜんざいなどにして食べる
- 一年の健康や幸せを願う
非常に硬くなっている鏡餅を無理に叩くと、餅の破片が飛ぶことがあります。
周囲を片付け、安全を確認してから行いましょう。
市販のパック入り鏡餅については、それぞれの商品に記載された取り出し方に従ってください。
硬くなった鏡餅はどうすればいい?
昔ながらの鏡餅は、長期間飾っているとかなり硬くなることがあります。
硬くなった餅は、水を使って電子レンジで少しずつ加熱すると柔らかくできます。
農林水産省では、
・耐熱容器に餅を入れる
・餅がつかる程度の水を入れる
・電子レンジで様子を見ながら加熱する
方法を紹介しています。
加熱しすぎると餅が溶けたり、非常に熱くなったりするため、短時間ずつ様子を見ながら加熱しましょう。
カビが生えた鏡餅は食べてもいい?
昔ながらの生の鏡餅では、飾っている間にカビが発生することがあります。
カビや異臭など明らかな異常がある餅は、無理に食べない方が安全です。
「表面のカビだけ取れば大丈夫」と自己判断せず、状態に不安がある場合は処分しましょう。
最近は、餅を個包装した状態で鏡餅型の容器に入れた商品も多くあります。
保存方法や賞味期限については商品の表示に従ってください。
鏡開きの餅はどうやって食べる?
鏡開きした餅にはさまざまな食べ方があります。
代表的なのは、
・おしるこ
・ぜんざい
・雑煮
・きなこ餅
・磯辺焼き
・おかき
などです。
地域や家庭によって食べ方に決まりがあるわけではありません。
鏡餅を無駄にせず、おいしく食べきれる方法を選べばよいでしょう。
鏡開きにぜんざいやおしるこを食べるのはなぜ?
鏡開きでは、餅をぜんざいやおしるこにして食べる家庭も多くあります。
硬くなった鏡餅を煮て柔らかくできるため、鏡開きの餅を食べる方法として相性がよい料理です。
また、小豆の赤い色には古くから邪気を払う意味があると考えられてきたことから、祝いの食べ物として親しまれてきました。
ただし、
「鏡開きでは必ずぜんざいを食べなければならない」
という決まりはありません。
雑煮など、家庭で食べやすい料理にして問題ありません。
餅を食べるときは窒息にも注意
鏡開きでは餅を食べるため、特に高齢者などは窒息に注意が必要です。
餅を食べるときは、
・食べやすい大きさにする
・一度にたくさん口へ入れない
・ゆっくりよく噛む
・食べる前にお茶や汁物で喉を潤す
ことを意識しましょう。
高齢者が食べる場合は、周囲の人も食事の様子を見守ると安心です。
樽酒の「鏡開き」とは?
鏡開きには、もうひとつよく知られた意味があります。
結婚式や会社の記念式典、祝賀会などで、
「よいしょ!」
という掛け声とともに木づちで酒樽のふたを開ける行事です。
こちらも「鏡開き」と呼ばれます。
酒樽の上ぶたを「鏡」と呼ぶことから、そのふたを開けることを鏡開きと呼びます。
日本酒造組合中央会では、樽酒の鏡開きについて、健康や幸福などを祈念して行うものと紹介しています。
現在では、結婚式や周年行事など、お祝いの席で行われることが多くなっています。
鏡餅と樽酒の鏡開きは何が違う?
同じ「鏡開き」という名前ですが、意味は異なります。
| 比較 | 鏡餅の鏡開き | 樽酒の鏡開き |
|---|---|---|
| 主な場面 | お正月 | 結婚式・祝賀会・式典など |
| 「鏡」とは | 丸い鏡をかたどった鏡餅 | 酒樽の上ぶた |
| 行うこと | 鏡餅を開いて食べる | 酒樽のふたを開く |
| 主な願い | 無病息災・一年の健康 | 健康・幸福・発展など |
| 時期 | 多くの地域で1月11日 | お祝いの機会に行う |
お正月の鏡開きは「年中行事」。
樽酒の鏡開きは「祝いの儀式」。
と分けて覚えると分かりやすいでしょう。
樽酒の鏡開きを「鏡割り」と呼ばないのはなぜ?
樽酒の場合も、実際には木づちでふたを開けます。
しかし、お祝いの場で「割る」という言葉は縁起がよくないため、「鏡開き」と呼ばれます。
日本酒造組合中央会では、
「鏡」は円満
「開く」は末広がり
を意味すると紹介しています。
そのため、結婚式や会社の周年行事など、おめでたい席で行う演出として定着しています。
鏡餅の鏡開きと樽酒の鏡開きに共通すること
鏡餅と樽酒では行うことが異なりますが、共通点もあります。
どちらも、
・「割る」ではなく「開く」という縁起のよい言葉を使う
・健康や幸福を願う
・人が集まる祝いの場と関係している
という特徴があります。
そのため、違う行事でありながら、どちらも「鏡開き」という言葉が使われています。
鏡開きを子どもに説明するなら?
子どもには、難しい歴史をすべて説明する必要はありません。
たとえば、
「お正月に神様へお供えしたお餅をみんなで食べて、今年も元気に過ごせますようにとお願いする行事だよ」
と説明すると分かりやすいでしょう。
「鏡餅は飾って終わりではなく、最後に食べるところまでがお正月の行事」
と伝えると、鏡開きの意味も理解しやすくなります。
鏡開きは1月の伝統行事
鏡開きは、お正月から続く1月の代表的な伝統行事のひとつです。
1月には、
・元日
・七草
・鏡開き
・小正月
など、新しい一年の健康や幸せを願う行事が多くあります。
ちなみに、1月の和風月名は「睦月(むつき)」です。
関連記事:睦月は何月?読み方・意味・由来・旧暦との違いをわかりやすく解説
よくある質問
鏡開きとは何をする日?
お正月に年神様へお供えしていた鏡餅を下ろし、雑煮やぜんざいなどにして食べ、一年の無病息災を願う行事です。
鏡開きはいつ?
多くの地域では1月11日です。
ただし、地域によって1月15日や20日などに行われる場合もあります。
鏡開きは毎年1月11日?
多くの地域では毎年1月11日に行われます。
ただし、全国共通の日付ではないため、地域によって異なります。
鏡餅は包丁で切ってはいけない?
伝統的な鏡開きでは、刃物で「切る」ことを避け、手や木づちで分けます。
ただし、現在の個包装タイプなどは商品に記載された方法で取り出して食べれば問題ありません。
鏡餅は必ずぜんざいにする?
必ずぜんざいにする必要はありません。
雑煮、きなこ餅、磯辺焼きなど、食べやすい方法でいただけます。
カビが生えた鏡餅は食べられる?
カビや異臭など明らかな異常がある餅は、無理に食べない方が安全です。
状態に不安がある場合は処分しましょう。
酒樽を開けるのも鏡開き?
はい。
酒樽の上ぶたを「鏡」と呼ぶことから、木づちでふたを開ける祝いの儀式も「鏡開き」と呼ばれます。
鏡餅と樽酒の鏡開きは同じ行事?
同じではありません。
鏡餅の鏡開きはお正月の年中行事、樽酒の鏡開きは結婚式や祝賀会などで行われる祝いの儀式です。
まとめ
鏡開きとは、お正月に年神様へお供えしていた鏡餅を下ろし、食べることで一年の無病息災を願う行事です。
多くの地域では1月11日に行われますが、地域によって日付が異なる場合があります。
鏡餅は昔の丸い鏡に似ていることからその名が付いたとされ、伝統的な鏡開きでは包丁を使わず、手や木づちで分けて食べます。
また、「鏡開き」には酒樽のふたを木づちで開ける祝いの儀式という意味もあります。
鏡餅の鏡開き
→ お正月の年中行事
樽酒の鏡開き
→ 結婚式や祝賀会などで行う祝いの儀式
と覚えると分かりやすいでしょう。
どちらの鏡開きにも、健康や幸福を願い、「開く」という縁起のよい言葉で新しい門出を祝う意味が込められています。


