引っ越し先の内見で「この部屋の日当たりはどうだろう?」と気になったり、節分の時期に「今年の恵方はどっち?」と迷ったりしたことはありませんか?
あるいは、登山やハイキングで地図を見ながら現在地を確認したい場面もあるでしょう。
そんな時、わざわざ文房具店で方位磁石(コンパス)を買う必要はありません。実はお手持ちのスマートフォンを使えば、無料で、しかも驚くほど正確に方角を調べることができるのです。
しかし、「スマホのコンパスって本当に正確なの?」「使い方がよくわからない」と疑問に思っている方も多いはずです。
そこで本記事では、iPhoneとAndroidそれぞれの正確な方角の調べ方から、知っておくべき「真北」と「磁北」の違い、そして精度が悪い時の対処法までを徹底解説します。
これを読めば、もう方角で迷うことはなくなります。ぜひスマホを片手に読み進めてみてください。
【iPhone編】標準搭載「コンパス」アプリの正確な使い方
iPhoneユーザーの方は、App Storeから新しいアプリをダウンロードする必要はありません。購入時からインストールされている標準アプリ「コンパス」が非常に優秀だからです。
アプリの場所と基本的な起動方法
「コンパス」アプリは、通常ホーム画面の「便利ツール(Utilities)」というフォルダに入っていることが多いです。もし見つからない場合は、ホーム画面を下にスワイプして検索窓に「コンパス」と入力すればすぐに出てきます。
アプリを起動すると、黒い背景に白い文字で方位盤が表示されます。
スマホの頭(上部)を向けた方向が、現在向いている方角です。
- N:北(North)
- E:東(East)
- S:南(South)
- W:西(West)
画面中央にある白い十字のマークは、スマホが地面に対して水平かどうかを示しています。
特定の方角をロックする機能
例えば「南の方角を知りたい」という場合、コンパスを回して「S(南)」に合わせます。その状態で画面を一度タップしてみてください。
すると、その方角がロックされ、スマホを動かして方角がズレると赤い帯が表示されるようになります。これにより、目標とする方角からどれくらいズレているかが視覚的にわかりやすくなります。
【Android編】Googleマップや無料アプリでの調べ方
Androidの場合、機種(Xperia、Galaxy、Pixelなど)によっては標準のコンパスアプリが入っていないことがあります。しかし、心配無用です。ほとんどのAndroid端末に入っている「Googleマップ」で代用可能です。
Googleマップを使って方角を確認する方法
Googleマップには、現在地を示す青い点が表示されています。この青い点から扇状に広がっている青い影、これが「スマホが向いている方向」です。
より正確にコンパスとして使いたい場合は、以下の手順を試してください。
- Googleマップを開き、現在地アイコン(青い点)をタップします。
- 左下に現れる「コンパスの調整」という項目を選択します。
- 画面の指示に従ってスマホを動かすことで、方角の精度を高めることができます。
また、画面右上に表示されるコンパスアイコン(赤と白の磁針マーク)をタップすると、地図が「北を上」に固定されるか、「向いている方向を上」にするかを切り替えられます。
おすすめの無料コンパスアプリ
Googleマップだけでは見づらい、もっとシンプルなコンパスが欲しいという場合は、Google Playストアで無料アプリを導入しましょう。
選ぶ際のポイントは「広告が邪魔にならないこと」と「シンプルさ」です。
- デジタルコンパス (Digital Compass):シンプルで視認性が高く、多くのAndroidユーザーに支持されています。
- コンパス (Compass):デザインが洗練されており、水平器機能がついているものも便利です。
ここが重要!「真北(しんぼく)」と「磁北(じほく)」の違い
スマホで方角を調べる際、最も注意しなければならないのが「2つの北」の存在です。ここを理解していないと、目的によっては致命的なズレが生じてしまいます。
地図上の北(真北)とコンパスの北(磁北)
- 真北(しんぼく / True North):
地図上の北極点(北緯90度)を指す北です。地図と照らし合わせる時や、建物の設計図を見る時などに使われます。 - 磁北(じほく / Magnetic North):
方位磁石のN極が指す北です。実は、地球の磁場が指す北は、地図上の北極点とは少しズレています(日本では西に約7度ほどズレています)。風水、家相、恵方巻きなどは、伝統的にこの「磁北」を使うのが一般的です。
iPhoneで「真北」に設定を変更する方法
iPhoneのコンパスは、設定でどちらの北を指すか変更できます。
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「コンパス」をタップ
- 「真北を使用」というスイッチがあります。
- ONにすると:地図と同じ「真北」を指します。(地図読み、建築確認用)
- OFFにすると:磁石と同じ「磁北」を指します。(風水、恵方巻き、登山用)
用途に合わせて、このスイッチを切り替えることが「正確さ」への第一歩です。
コンパスが狂っている?精度を上げる3つの対処法
「明らかに方角がおかしい」「針が定まらずフラフラする」
そんな時は、スマホのセンサーが磁気干渉を受けている可能性があります。以下の3つの方法で修正しましょう。
1. 「8の字」を描いて調整(キャリブレーション)
これは最も効果的で有名な方法です。
スマホを手に持ち、空中で大きく「8」の字を描くように手首をひねりながら動かします。これにより、内部の地磁気センサーに蓄積された磁気の偏りをリセットし、正しい地磁気を再認識させることができます。Googleマップなどで「コンパスの精度が低いです」と出た時は必ず行いましょう。
2. マグネット付きスマホケースや周辺機器の影響を排除する
意外な盲点がスマホケースです。
手帳型ケースの留め具や、背面にカードを入れるためのマグネットスタンドなどが付いている場合、その強力な磁力がコンパスセンサーを狂わせます。
正確な方角を知りたい時は、一時的にケースからスマホを取り外して計測してください。これだけで劇的に改善することがあります。
3. GPS設定と位置情報サービスの確認
コンパスアプリによっては、GPS(位置情報)を利用して「真北」の補正計算を行っています。
- Wi-Fiをオンにする(接続していなくてもオンにするだけで位置精度が上がります)
- 設定 > プライバシー > 位置情報サービス がオンになっているか確認する
これらを確認することで、より高精度な測定が可能になります。
用途別:方角調べに役立つシーンと便利アプリ
基本的なコンパス機能だけでなく、目的に特化したアプリを使うとさらに便利です。
引っ越し・内見(日当たり確認)
部屋の日当たりを確認するには、単に南の方角を知るだけでなく「太陽がどの高さで、どう動くか」を知る必要があります。
- おすすめ:『Sun Surveyor (サン・サーベイヤー)』などのARアプリ。カメラを部屋にかざすと、夏至や冬至の太陽の軌道が画面上に重ねて表示されます。「冬場は隣のビルで日が陰るかも」といったことが一目瞭然です。
恵方巻き・節分
節分の恵方は毎年変わります(北北西、南南東など)。角度を調べるのが面倒な場合は専用アプリが楽です。
- おすすめ:『恵方コンパス』など。起動するだけで、その年の恵方を「こっち!」と示してくれます。
風水・家相
家の中心から正確に八方位を割り出す必要があります。
- おすすめ:『風水カラーコンパス』など。間取り図の上に方位盤を重ねられる機能があるものや、ラッキーカラーを教えてくれる機能がついているものが人気です。この場合は、iPhone設定の「真北を使用」をOFF(磁北)にして使うのが一般的です。
まとめ
スマホで方角を調べることは、専用の道具がなくても無料かつ高精度に行えます。
最後に、正確に調べるためのポイントを振り返りましょう。
- iPhoneは標準アプリ、AndroidはGoogleマップか無料アプリを使う。
- 用途に合わせて「真北」と「磁北」を使い分ける(地図なら真北、風水なら磁北)。
- 精度が怪しいときは、ケースを外し、8の字に動かして調整する。
これさえ覚えておけば、新居選びも、道迷いも、縁起担ぎもバッチリです。
今すぐお手持ちのスマホでコンパスアプリを開き、北がどちらか確認してみてください。その便利さを実感できるはずです。

