「子どもが言うことを聞かないのは、私の育て方が悪かったから?」
「もっと違う接し方をしていればよかったのかな」
「今から育て方を変えても遅い?」
子どもの反抗的な態度や友達とのトラブル、勉強や生活習慣などで悩むと、
「自分の育て方が悪かったのでは」
と考えてしまうことがあります。
しかし、子どものひとつの行動だけを見て、親の育て方すべてが良かった・悪かったと判断することはできません。
子どもの行動には、
・年齢や発達段階
・性格
・体調
・学校や友達との関係
・生活環境
・その日の気分
など、さまざまなことが関係します。
もちろん、振り返ってみて「これは変えた方がいい」と気づくこともあるでしょう。
大切なのは、過去を責め続けることではなく、気づいたところから今の関わり方を少しずつ見直すことです。
この記事では、「育て方が悪かったのかも」と感じたときに考えたいことや、親子関係を整えるためにできることを紹介します。
- 「育て方が悪かった」と感じるのはどんなとき?
- 「言うことを聞かない=育て方が悪い」ではない
- 子どもの育て方が悪かったと感じたときに見直したい7つのこと
- 1.子どもの性格ではなく「行動」を見る
- 2.注意する前に理由を聞いてみる
- 3.気持ちと行動を分ける
- 4.「ダメ」だけでなく、してほしい行動を伝える
- 5.叱りすぎたと思ったら、その後の関係を整える
- 6.子どもの年齢や環境も考えてみる
- 7.親だけで解決しようとしない
- 今から育て方を変えても遅くない?
- 見直した方がいい子どもへの接し方
- 「褒めて育てる」だけでもうまくいかないことはある
- 「育て方が悪い」と周囲から言われたときは?
- 子育ての後悔を減らすためにできること
- 相談した方がいいのはどんなとき?
- 子どもの育て方についてよくある質問
- まとめ|「育て方が悪かった」と決めつけず、今できることを考えよう
「育て方が悪かった」と感じるのはどんなとき?
親が自分の育て方を疑いやすいのは、子どもに気になる行動が見られたときです。
例えば、
・何度言っても言うことを聞かない
・反抗的な態度を取る
・友達とトラブルになる
・兄弟姉妹に意地悪をする
・勉強をしない
・ゲームやスマホばかり使う
・あいさつをしない
・片付けをしない
・学校へ行きたがらない
などがあります。
さらに、周囲の子どもと比べることで、
「同じ年なのに、どうしてうちの子だけ?」
と感じることもあるでしょう。
しかし、こうした行動があるからといって、それだけで「親の育て方が悪い」ということにはなりません。
まずは、
「なぜこの行動をしているのだろう?」
と背景を考えることが大切です。
「言うことを聞かない=育て方が悪い」ではない
子どもが親の言うことを聞かないと、
「しつけが足りなかった」
と思うことがあります。
しかし、「言うことを聞かない」ように見える行動にもさまざまな理由があります。
例えば、
・自分なりの考えがある
・今やっていることをやめたくない
・言われた内容を十分理解できていない
・疲れている
・眠い
・お腹が空いている
・親の注意を引きたい
・自分で決めたい年齢になってきた
などです。
同じ「片付けない」という行動でも、
やりたくない子もいれば、
どこから片付ければいいのか分からない子もいます。
そのため、
「言うことを聞かない子」
と決めつけるより、
「何が難しいのかな?」
と考えてみる方が対応方法を見つけやすくなります。
子どもの育て方が悪かったと感じたときに見直したい7つのこと
1.子どもの性格ではなく「行動」を見る
うまくいかないことが続くと、
「わがままな子」
「だらしない子」
「乱暴な子」
と、子どもの性格そのものを評価したくなることがあります。
しかし、
「あなたはだらしない」
と言われても、子どもには何を直せばよいのか分かりにくいものです。
それよりも、
「脱いだ服が床に置いたままになっているよ」
「使ったものを元の場所に戻そう」
というように、具体的な行動を伝えた方が分かりやすくなります。
親自身も、
「この子はダメ」
ではなく、
「今、この行動に困っている」
と分けて考えると気持ちを整理しやすくなります。
2.注意する前に理由を聞いてみる
子どもの行動を見た瞬間、
「何してるの!」
と叱りたくなることもあります。
もちろん、道路への飛び出しなど危険な場合はすぐ止める必要があります。
一方、急いで止める必要がないことであれば、
「どうしたの?」
「何があった?」
と聞いてみることも大切です。
例えば友達とケンカした場合も、
「どうしてそんなことしたの!」
と始めるより、
「何があったの?」
と聞くことで、子どもが感じていたことが分かる場合があります。
話を聞くことは、悪い行動を認めることではありません。
まず事情や気持ちを聞き、そのあとで必要なルールを伝えればよいでしょう。
3.気持ちと行動を分ける
子どもが怒ったとき、
「怒らないの!」
と言いたくなることがあります。
しかし、
怒る
悲しい
悔しい
嫌だ
怖い
と感じること自体を禁止する必要はありません。
一方で、怒ったからといって、
人を叩く
物を壊す
といった行動まで認める必要はありません。
例えば、
「怒ったんだね。でも叩くのはダメだよ」
「悔しかったんだね。でも物を投げるのはやめよう」
というように、
気持ち
→受け止める
行動
→ルールを伝える
と分けます。
子ども自身が、
「怒ってもいい。でもどう行動するかは選ぶ必要がある」
と少しずつ学ぶことにつながります。
4.「ダメ」だけでなく、してほしい行動を伝える
親はつい、
「走らない!」
「騒がない!」
「散らかさない!」
と言いがちです。
しかし、小さな子どもほど、
「では何をすればいいの?」
まで具体的に伝えた方が理解しやすくなります。
例えば、
「走らない」
→「ここでは歩こう」
「騒がない」
→「小さい声で話そう」
「散らかさない」
→「使い終わったら、この箱に戻そう」
という伝え方です。
一度でできなくても、繰り返し同じ方法を伝えていきます。
年齢によってできることも違うので、その子に分かりやすい方法を考えてみましょう。
5.叱りすぎたと思ったら、その後の関係を整える
子育てをしていれば、
「今日は言いすぎた」
と思うこともあるでしょう。
大切なのは、
「一度も失敗しない親になること」
ではありません。
必要以上に強く言ってしまったなら、
「さっきは大きな声で怒ってごめんね」
と謝ることもできます。
そのうえで、
「でも道路へ飛び出したのは危なかったから止めたかったんだ」
と、本来伝えたかったことを話します。
親が謝ったからといって、親としての立場がなくなるわけではありません。
言い方を間違えたときは関係を整え直し、必要なルールは改めて伝えればよいでしょう。
6.子どもの年齢や環境も考えてみる
今までできていたことが急にできなくなったり、反抗的になったりすると、
「育て方を間違えた」
と感じることがあります。
しかし、子どもの行動は成長とともに変わります。
例えば、自分で決めたい気持ちが強くなる時期には、親の指示へ反発することもあります。
また、
・クラス替え
・進学
・友人関係
・部活動
・受験
・引っ越し
・家族の生活変化
などが影響している場合もあります。
「昔はできていたのに」
だけで判断せず、最近何か変化がなかったか考えてみましょう。
7.親だけで解決しようとしない
子育てについて悩んだとき、
「親なんだから自分で何とかしなければ」
と思う必要はありません。
相談できる場所には、
・パートナーや家族
・保育園や幼稚園
・学校の先生
・養護教諭
・スクールカウンセラー
・地域の子育て相談窓口
・保健師
・小児科
などがあります。
親子だけで向き合い続けるより、第三者の視点が入ることで状況を整理できる場合があります。
子どものことで相談するのは、
「育て方に失敗したから」
ではありません。
困ったときに必要な支援を利用することも、子育てのひとつです。
今から育て方を変えても遅くない?
「もっと早く気づけばよかった」
と後悔することもあるでしょう。
しかし、親子関係は一度決まったら変えられないものではありません。
例えば今日からでも、
話を最後まで聞く
怒る前に一度理由を聞く
できていることを具体的に伝える
子どもと一緒にルールを決める
言いすぎたら謝る
といったことは始められます。
突然すべてを変えようとする必要もありません。
まずひとつ、
「今日は話を遮らずに聞いてみよう」
というところからでもよいでしょう。
関連記事:子育てで大事にしたいこと7つ|迷ったときに戻りたい親子関係の基本
見直した方がいい子どもへの接し方
育て方すべてを否定する必要はありませんが、もし次のような対応が続いているなら、見直すきっかけにしてみましょう。
叩くことで言うことを聞かせる
しつけを目的としていても、叩くなど身体に苦痛を与える体罰は認められていません。
危険な行動を止めるために子どもの手をつかむことと、罰として叩くことは別です。
子どもへルールを教える場合は、言葉で具体的に伝えたり、どうすればよいのか一緒に考えたりする方法があります。
人格を否定する
「ダメな子」
「何をやってもできない」
「あなたなんて嫌い」
など、行動ではなく子ども自身を否定する言葉は避けましょう。
伝えたいのは、
「あなたがダメ」
ではなく、
「この行動はやめてほしい」
ということです。
他の子や兄弟姉妹と比べ続ける
「お兄ちゃんはできたのに」
「○○ちゃんはもっと勉強している」
など、比較され続けることは子どもにとって負担になる場合があります。
他の子と比べるより、
「以前よりできるようになったこと」
を見る方が、その子自身の変化に気づきやすくなります。
親の希望をすべて子どもに決める
小さい頃は親が決めることが多くても、成長するにつれて子ども自身が選べることも増えていきます。
服や遊び、習い事、勉強方法など、年齢に合わせて自分で選ぶ経験を増やしていきましょう。
安全や健康に関わることは親が判断しながら、それ以外は少しずつ任せていく方法があります。
「褒めて育てる」だけでもうまくいかないことはある
子育てについて調べると、
「子どもは褒めて育てる」
という言葉を見かけます。
もちろん、できていることを認めるのは大切です。
しかし、
何をしても褒める
注意しない
ルールを決めない
という意味ではありません。
危険なことや、人を傷つける行動には「してはいけない」と伝える必要があります。
褒めるときも、
「すごいね」
だけではなく、
「自分から片付けられたね」
「最後まで取り組めたね」
「友達に貸してあげたんだね」
というように、具体的な行動を伝えると分かりやすくなります。
「育て方が悪い」と周囲から言われたときは?
祖父母、親戚、知人などから、
「育て方が悪いんじゃない?」
と言われて傷つくこともあります。
しかし、短い時間だけ子どもを見た人に、その家庭の子育てすべてが分かるわけではありません。
もちろん、参考になる意見が含まれていることもあります。
その場合は、
「確かにそこは見直してみよう」
と必要な部分だけ受け取ればよいでしょう。
すべてを真に受けて、
「私は親として失敗した」
と結論づける必要はありません。
子育ての後悔を減らすためにできること
過去を思い出して、
「もっと遊んであげればよかった」
「怒りすぎた」
「仕事ばかりだった」
と後悔することがあります。
しかし、今から過去を変えることはできません。
できるのは、これからの関係を作ることです。
子どもが小さいなら、今日一緒に遊ぶ。
学校へ通っているなら、今日の話を聞く。
大きくなっているなら、必要以上に干渉せず、困ったときに相談できる関係を作る。
子どもの年齢に合わせて、今できることを考えてみましょう。
子どもが成長した後の親子関係については、こちらの記事でも紹介しています。
関連記事:子どもが大きくなったママが寂しいと感じるのはなぜ?子離れ後の気持ちを整える7つのヒント
相談した方がいいのはどんなとき?
親子だけでは対応が難しいと感じる場合は、早めに相談する方法があります。
例えば、
・学校へ行けない状態が続いている
・食事や睡眠の状態が大きく変わった
・本人が強くつらそうにしている
・友人とのトラブルが何度も続いている
・自分や他人を傷つける行動がある
・親が感情を抑えられない状態が続いている
・子どもへの接し方が分からず限界を感じている
といった場合です。
学校の先生やスクールカウンセラー、地域の子育て相談窓口、医療機関などへ相談できます。
こども家庭庁には、保護者も利用できる「親子のための相談LINE」などの相談窓口も用意されています。
子どもの育て方についてよくある質問
子どもの性格は親の育て方で決まりますか?
親との関わりも子どもの成長に関係しますが、それだけですべてが決まるわけではありません。
子ども自身の特性、発達、周囲の環境や経験など、さまざまな要素があります。
反抗期になったのは育て方が悪かったから?
反抗的な態度があるという理由だけで、育て方が悪かったとは判断できません。
成長するにつれて、自分の考えを持ち、親と意見がぶつかることもあります。
ただし、本人や家族が強く困っている状態が続く場合は相談してみるとよいでしょう。
怒りすぎてしまいました。親子関係は戻せますか?
言いすぎたと思ったときは、その後に話し合うことができます。
必要なら謝り、本当に伝えたかったことを改めて説明してみましょう。
一度の失敗だけで親子関係のすべてが決まるわけではありません。
子どもを叩いてしまったらどうすればいい?
しつけとしての体罰は認められていません。
繰り返してしまいそう、自分だけでは止めるのが難しいと感じている場合は、一人で抱えず子育て相談窓口などへ相談してください。
他の家庭を見ると自分の子育てに自信がなくなります
他の家庭の一部分だけを見て、自分の家庭全体と比較しないようにしましょう。
SNSなどが負担になっているなら、一時的に見る時間を減らす方法もあります。
今からでも子どもとの関係を変えられますか?
年齢に関係なく、話を聞く、伝え方を変える、必要なら謝るなど、今からできることはあります。
一度にすべて変えるのではなく、小さなことから始めてみましょう。
まとめ|「育て方が悪かった」と決めつけず、今できることを考えよう
子どもに気になる行動があると、
「私の育て方が悪かったのかもしれない」
と思うことがあります。
しかし、
言うことを聞かない
反抗する
勉強しない
友達とトラブルになる
といった行動だけで、親の育て方全体を判断することはできません。
まずは、
1.性格ではなく具体的な行動を見る
2.理由や気持ちを聞く
3.気持ちと行動を分ける
4.してほしい行動を具体的に伝える
5.言いすぎたら関係を整え直す
6.年齢や生活環境も考える
7.必要なら周囲へ相談する
というところから見直してみましょう。
子育ては、一度決めた方法を最後まで続けなければならないものではありません。
子どもの成長に合わせて、親の関わり方も変えていくことができます。
「もっと違う育て方をすればよかった」と過去だけを振り返るより、
「今日から何をひとつ変えよう?」
と考えることが、これからの親子関係につながります。


